利根川の堤防強化を 野田~印西間(千葉北西連絡道路第2回検討会)
[2021/8/31 千葉版]
野田市~印西市間で道路計画の具体化に向けた千葉北西連絡道路検討会(座長・小島昌希国土交通省千葉国道事務所長)の第2回会合が30日、ウェブ方式で開かれた。県広域道路交通ビジョン・計画での位置付けや最新の交通状況、今後の進め方などを報告。沿線自治体からは、利根川の堤防強化を踏まえた概略ルートの検討や事業の加速化を求める意見が出された。
6月に策定された県広域道路交通ビジョン・計画では、千葉北西連絡道路を核都市広域幹線道路の機能を兼ね備えた「高規格道路」とし、早期具体化を図る方向性が示されている。併せて千葉北西連絡道路延伸を「構想路線」に位置付けている。
県北西地域の交通状況をみると、北西地域の高規格道路は常磐自動車道のみであり、常磐自動車道へのアクセス箇所は国道16号の柏ICだけとなる。国道16号は北西地域を縦断する唯一の幹線道路となっている。
県北西地域の渋滞損失時間については、国道16号が他の路線と比べて大きい。地域外に拠点を持つ交通では、国道16号が全断面でおおむね60%以上を占める。
国道16号(柏)の交通量は日量4万2000台~5万台となり、依然として交通容量を超過している。県北西地域における国道16号の昼間12時間平均旅行速度は、おおむね時速30km前後で推移する。
これらを踏まえ、検討会では千葉北西連絡道路の計画について、基本方針の検討を本格化する。基本方針に基づき、概略ルートや構造などの検討に着手する考えだ。
千葉国道事務所は本年度、「千葉北西連絡道路検討業務3F7」をパシフィックコンサルタンツ(本社・東京都千代田区)に委託。千葉北西連絡道路の位置付けや整備により想定される効果などについて検討を進めている。履行期限は2022年3月25日まで。
国道16号は、県北西部を南北に連絡する唯一の広域的な道路であるものの、柏市内や千葉市内で、慢性的な渋滞が発生している。19年台風19号による豪雨災害により、田中調節池の市道が通行止めになった際には、並行する国道16号に交通が集中した。
このような状況を踏まえ、県北西部において、野田市~印西市間の計画の具体化に向けて、20年10月に「千葉北西連絡道路検討会」を設立。意見交換などを行い、検討を進めている。