防災広場に6.3億円 工事は2カ年で債務負担(宮城県 女川町 9月補正予算案)

[2021/8/27 宮城版]
 女川町の9月補正予算案が明らかになった。一般会計は16億0160万円を追加し、総額を120億2433万円とする。建設関連では、防災広場の整備工事費に3億1404万円を計上するとともに、2022年度分として限度額3億1404万円を設定した。この6億2813万円を活用し、本年度から2カ年かけて防災広場を整備する。広場工事は早ければ10月にも一般競争入札の手続きを公告し、町議会12月定例会で工事請負契約の承認を得る考え。

 防災広場は、山を切り盛りしながら塚浜地区に整備する。延長約260m、幅員5mの管理用通路を設け、片方を同地区の集落道路、もう片方を東北電力の私道に結び付ける。集落道からは県道女川牡鹿線を経由して町中心部へアクセスできるようになる。

 防災広場と管理用通路の測量設計業務は東北開発コンサルタント(仙台市青葉区)に委託しており、9月末までにまとめる。その成果を踏まえて広場の面積を確定する。広場内にはベンチやあずまやなどを配置する予定。

 事業費の財源は内閣府の「原子力災害時避難円滑化モデル実証事業」を活用する。9月補正予算案には工事費以外に、発注者支援業務の委託費として358万円を計上した。

 広場の整備工事は一括発注し、来年度の完成を目指す。完成後は津波などの災害時に一時避難場所として活用する。

 補正予算案にはこのほか、東日本大震災復興基金交付金の返還金に11億5107万円、消防施設の建物解体工事費に1105万円、水産加工団地排水処理施設のマンホールポンプ交換工事費に430万円、「女川温泉ゆぽっぽ」の改修に向けた検証委託費に921万円を盛り込むなどした。

 ゆぽっぽはJR女川駅の駅舎と一体化した建物で、S造一部木造3階建て延べ約900平方mの規模。5月の地震で2階上部のペアガラス5枚が破損した。町は破損要因を2つほど想定しており、それが正しいかどうか検証してもらうため、応答解析と第三者評価業務を委託し、改修方法を決める。

出島架橋の配水管添架に2億円

 同町は水道事業会計の9月補正予算案に、女川出島線の配水管敷設(出島架橋)工事費として限度額2億円の債務負担を設定した。期間は2021~23年度。

 女川出島線は女川本土と出島を結ぶ町道で、海上に橋長364mの鋼中路アーチ橋を架ける。橋の架設工事は県に委託。県は架設工事をJFEエンジニアリング(東北支店・仙台市青葉区)・橋本店(仙台市青葉区)・東日本コンクリート(同)JVに発注した。この橋に配水管を添架する。

 補正予算案は来月3日開会の町議会9月定例会に提出する。

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