右折車線延伸など検討 直轄国道 渋滞対策57カ所必要(県移動性向上委)
[2021/8/27 千葉版]
千葉県移動性向上プロジェクト委員会(委員長・赤羽弘和千葉工業大学創造工学部教授)が26日、千葉市内で開かれた。直轄国道で渋滞対策が必要なのは57カ所となり、右折車線の延伸などピンポイント対策を積極的に検討・実施し、渋滞対策を促進する方針を示した。
委員会では▽渋滞対策の進ちょく状況▽主要渋滞箇所の見直し▽交通需要の調整(TDM施策)の検討▽今後の渋滞対策の進め方──などを議題とした。
県内一般道の主要渋滞箇所については、2012年度の「首都圏渋滞ボトルネック対策協議会」で279カ所を特定。20年12月末現在の対策の進ちょく状況は、除外済32カ所、対策完了31カ所(うち除外済14カ所)、対策一部完了10カ所、事業中57カ所、検討中163カ所となった。
直轄国道の主要渋滞箇所は昨年と同じ86カ所。その内訳は要対策57カ所、対策実施中17カ所、対策完了など除外済12カ所。今後も要対策箇所については、既存の道路用地内で少ない投資で早期に効果の発現が期待できる短期対策(ピンポイント対策)を積極的に検討・実施していく。
国土交通省は、ETC2.0などのビッグデータを活用した分析により、交通需要マネジメント(TDM)施策による渋滞解消の可能性を検討している。県内では地域特色の異なる葛南地域と市原市・君津地域の代表的な主要渋滞箇所各1カ所で分析を試行する。
赤羽委員長は、渋滞対策としてハード事業とともに、東京五輪で導入されたロードプライシングなどソフト対策も積極的に検討していく必要がある考えを示した。
国土交通省千葉国道事務所は、交通渋滞について、地域代表者やさまざま関係者から意見をもらい道路施策に反映させるため、「千葉県移動性向上プロジェクト委員会」を05年11月に設立し、さまざまなデータを用いて渋滞対策を進めている。