関沢橋架替えで設計 羽生田上蒲生線の4車線化へ 栃木土木
[2021/08/26 栃木版]
県は主要地方道羽生田上蒲生線の整備で、壬生町若草町工区の東進となる、下野市境の関沢橋から平成橋東側の同県道分岐交差点まで700mの4車線拡幅整備に着手する。県は下古山工区として国庫を充当する見通し。この県道は一級河川姿川を渡河する関沢橋を境に4車線から2車線に絞られるため、渋滞を助長する要因となっている。平成橋付近は現状2車線だが、4車線分の用地を確保しており、県栃木土木事務所によると本年度は県単で関沢橋の橋梁詳細設計を実施する。橋梁詳細設計は、ピーシーレールウェイコンサルタント(宇都宮市)が担当している。
関沢橋は、1965年度に架設された橋長59mの3径間RC-T桁橋で、下部工は杭基礎逆T式橋台2基と杭基礎小判型橋脚2基で構成する。交通量の増加に伴い、83年度には上下流側に歩行者専用の側道橋を架設している。
関沢橋から西側の壬生町おもちゃのまち地内は、同県道沿いに商工業施設が連担している。4車線で整備されているが18mしかなく、都市計画決定の25mを満たしていない。右折レーンが確保できず渋滞の原因となっているほか、両側の歩道も狭あいで、適正な歩行空間が確保されていない。
若草町工区の事業化とともに、町では組合施行の六美町北部土地区画整理事業が始まり、この事業のエリア内については25mの幅員を確保する計画。また、大型商業施設コストコの進出も決まり、工事が始まった。
さらに下古山工区の東側では、23年3月の開通を予定する北関東自動車道(仮称)下野スマートICへのアクセス路整備が進められている。スマートICの供用が開始されれば、同県道への交通量の増加とともに大型車両の混入率が高まると予想されることから、4車線を標準幅員とする25mへの拡幅が急務となっている。
20年度に市は、下古山工区の事業化を求め「とちぎの道現場検証」を行った。対応方針として県は、概略設計の成果を基に地元説明会を開き、了承を得て路線測量や道路詳細設計に着手。路線測量は東洋測量設計(同)、道路詳細設計を富貴沢建設コンサルタンツ(同)が担当している。
県は同工区の4車線化に先行して、下野スマートICへの接続道路を整備する上古山工区に着手。北関東道の両側に側道的に一方通行で並行させ、料金所設置に伴い600mの付替え整備を実施するもので、用地取得を進め本年度から工事に着手する。
接続道路の整備幅員は7.75m(1車線・上下線分離)で、車道3mに片側歩道2.5mのほか、車道と歩道の間に自転車通行帯1mと、車道側には0.75mの路肩を配置する。道路詳細設計はシーアイエス(宇都宮市)が担当した。下野スマートIC上下線へのアクセス路は、同県道を跨ぐボックス工で施工を計画している。
同県道は、壬生町おもちゃのまち地内を東西に横断し、みぶ羽生田産業団地にアクセスする。産業団地と市街地が連続するおもちゃのまち地内は4車線となっているものの、市街地が切れる関沢橋~平成橋間は2車線に絞られ、朝夕の通勤時は2車線区間が渋滞するボトルネックとなっている。本年度の県議会県土整備委員会で両市町は、前年度に引き続き早期整備を要望している。