11月に事業者公募 BTO方式で新調理場(市原市)
[2021/8/26 千葉版]
市原市は25日、新学校給食共同調理場整備・運営事業の実施方針と要求水準書案を公表した。市原第一、第二調理場の敷地を活用し、BTO方式で1日当たり1万3000食規模の施設を建設する。11月に事業者の公募を開始し、2022年3月までに優先交渉権者を決定する方針だ。
同市の学校給食共同調理場は▽市原第一(郡本1-1)▽市原第二(郡本1-4)▽岩崎(岩崎1-4)▽南総(牛久853)▽姉崎(迎田41-1)▽ちはら台(ちはら台南2-32-1)──の6カ所で、小中学校全62校の完全給食を実施している。
施設設備は老朽化が進行しており、学校給食衛生管理基準や食物アレルギーに対応した安全な学校給食を提供するため、新たな学校給食共同調理場を整備していく。
新施設の建設予定地は市原第一、第二調理場の敷地8146平方m。1日当たりの提供食数は1万3000食を想定。開業時の対象学校は市内小学校40校とする。
事業方式は、PFI法に基づき、市と事業契約を締結し、事業者自らが施設を設計・建設し、施設の所有権を市に移管した後、施設の維持管理・運営などを行う「BTO方式」を採用する。
業務範囲は▽施設整備(基本・実施設計や建設、工事監理、調理設備調達など)▽開業準備▽維持管理▽運営──とする。事業期間は39年8月末まで。
プロポの参加資格要件は、設計企業、建設企業、工事監理企業、維持管理企業、運営企業を含む複数の企業グループであることのほか、20・21年度市入札参加資格者名簿に登録があることなど。
このうち、建設企業には、市内に本店がある企業を1社以上含むことや、20・21年度市入札参加資格者名簿の建設工事に登録され、建築一式工事で特定建設業の許可があり、総合評点(建設工事)が790点以上であることのほか、施工実績などを求める。
事業者の選定スケジュールは、11月に事業者の公募を開始し、参加表明書や提案書類を受け付け、22年3月までに優先交渉権者を決定する。5月の基本協定や特定事業仮契約の締結を経て、6月議会で事業契約締結議案が承認され次第、本契約となる運びだ。
PFIアドバイザリー業務は長大(千葉事務所・千葉市中央区)が担当している。
同市の学校給食共同調理場の多くは、開設後35年以上が経過し、施設や設備の老朽化が進行している。今後も安全・安心な学校給食を安定的に提供し、学校給食共同調理場全体としての、質と量、コストの最適化を踏まえた再整備を推進するため、19年11月に「市原市学校給食共同調理場再整備計画」を策定した。
20年度に、長大がPFI等導入可能性調査を実施。その結果、PFI(BTO)方式に優位性があったため、この方式を導入することを決めた。