現地で建替検討へ 新清掃工場の整備(習志野市)
[2021/8/25 千葉版]
習志野市は、環境審議会の一般廃棄物処理基本計画策定部会(部会長・今野大輝東邦大学理学部生命圏環境科学科講師)で、一般廃棄物処理基本計画の審議を進めている。審議会への諮問にあたって、市では、新清掃工場整備に関する基本的な考え方として、広域化せず、現地で建て替える方針を示している。10月にもパブリックコメントを開始。環境審議会の答申を受け、同方針を盛り込んだ基本計画を策定後、新清掃工場の整備に着手する。27~31年度に設計と建設を進め、32年度の稼働を目指すことにしている。
既存の芝園(しばぞの)清掃工場は、2002年11月の稼働から約19年が経過。当初は耐用年数を20年間と見込んでいたが、安定稼働と運転期間の延伸を目的に、13年度に施設診断を実施し、14年3月に策定した「芝園清掃工場長寿命化計画」において、耐用年数を10年間延伸することを決定。31年度までの運転を見込んでいる。
一般廃棄物処理基本計画は、20~21年度の2カ年で策定。計画期間は22~31年度の10年間。市は、審議会への諮問にあたって、次期ごみ処理施設に関する基本的な考え方として「建て替える」、東日本大震災の教訓やごみ収集体制の円滑化をもとに「広域化しない」、ごみ処理施設に供する用地として都市計画決定していることなどから「移転はしない」との方針を示している。
また、今後の整備スケジュールとして、22年度に循環型社会形成推進地域計画を策定し、22~24年度に民間活力の導入を検討。23~25年度に環境アセスメントを実施し、25~27年度に事業者を選定。27~31年度に設計と建設を進め、32年度に稼働、現清掃工場を解体することを想定している。
同規模の清掃工場を建て替えた場合の事業費は、近隣自治体の実績などから、既存施設の取り壊しなど外構およびストックヤードの整備費とあわせ、おおよそ300億円を見込む。
市では、新清掃工場の整備に向け、クリーン推進課に特命主幹を配置し、「新清掃工場建設計画等検討事業」を創設するなど、推進体制を強化。国の交付金を活用するため、「新清掃工場建設計画等検討業務委託」の委託事業者を選定する指名競争入札の手続きを進めている。開札は9月1日。
宮本泰介市長は、「清掃工場は市民生活に直結する必要不可欠な施設であり、将来を見据えた整備を着実に進めたい」と話している。
芝園清掃工場(芝園3-2-1)の敷地面積は3万5979平方m。建築面積5807平方m。処理方式は、ガス化高温溶融一体型直接溶融炉。1日当たりの処理能力は219t(73t×3炉)。総事業費は約124億円。新日本製鐵(現新日鉄住金エンジニアリング)が設計・施工。
一般廃棄物処理基本計画策定業務は東和テクノロジーが担当。履行期限は22年3月末まで。