広域連携案を協議へ 県営水道との事業統合(千葉市水道局)
[2021/8/19 千葉版]
千葉市は18日、水道事業運営協議会(会長・川村博章市議会議長)を開き、水道事業の統合・広域化に向けた県との協議状況を報告した。市水道局は県営水道との事業統合を視野に入れて、現在の枠組みの中でも実現可能な広域連携案や統合による効果額の精査など、県と具体的な協議を本格化する考えを示した。
水道事業の統合広域化についてはこれまで、知事と市町村長との意見交換会や県営水道給水地域における実務担当者検討会議などを開き、協議・検討を進めてきた。しかし、各自治体の置かれた立場や課題が異なるため、統合・広域連携の実現には相当の期間がかかることが予想されている。
そこで、知事と市長のトップ同士が直接意見交換することで解決に向けた道筋をつけていくため、7月21日に「千葉県と千葉市の連携推進会議」を開き、水道事業が優先テーマの一つとして、協議された。
会談で神谷俊一市長は、速やかに県営水道と市営水道の事業統合について、方向性を示すよう要請。熊谷俊人知事は、広域的な観点に基づき、ほかの地域にも理解される形で、解決策の検討を進めており、具体的な協議を進めていく考えを示した。
会議の結果を踏まえ、市水道局は、事業統合を視野に入れて、現在の枠組みの中でも実現可能な広域連携案や統合による効果額の精査など、県と具体的な協議を本格化する。併せて、同市が示す統合パターンを確実に「水道広域化推進プラン」へ反映させるよう、引き続き求めていく。
野村和茂水道局長は、「市民への安全・安定な水の供給や経営の効率化のほか、災害への対応などの面からも水道事業の統合を進めていきたい」と意気込みを語った。
同市の市営水道は、給水区域のかたよりにより、経営効率が悪く、小規模事業体であるため、災害対応にも限界がある。将来にわたって水道を維持し、水の安定供給を継続していくためには、抜本的な対策が必要となっている。
県は、統合・広域連携による水道事業の運営基盤強化を図る必要があるため、「千葉県版水道ビジョン」を踏まえて、「水道広域化推進プラン」を策定する方針だ。