建設業が応急復旧 法面崩落や崖崩れ 大雨被害
[2021/8/17 千葉版]
県は、香取市と神崎町で土砂災害警戒情報が発令されたため、午前2時10分に災害即応体制に移行した。県土整備部では、北西部や北東部を中心に土木事務所がパトロールを実施し、県建設業協会(高橋順一会長)の支部とともに情報収集にあたった。
印旛土木事務所管内では、白井市谷田地区で国道464号の法面が延長20mにわたり崩落。北総支部の竹内建設、高秀建設、正喜工業の3社が、ブルーシートや土のうによる応急復旧を施した。
香取土木事務所管内では、香取市九美上(くみあげ)地区の県道佐原八日市場線で、土砂が堆積した路肩の重みによるとみられる車道舗装面のクラックが約50mにわたって発生していることが分かり、現在は交通誘導に県職員が当たるなどしながら片側通行にして対応した。
海匝土木事務所管内では、匝瑳市大堀地区と田町地区(八日市場イ)の2カ所で法面崩れを確認し、うち田町地区では住宅1棟の寝室部分が一部損壊。他に被害が及ぶ恐れが少ないことから、天気の回復を待って必要な措置を施すという。
成田市では、大栄地区と豊住地区で「緊急安全確保」を発令。大栄地区では、住宅側面にある崖が、縦約5m・幅約20mの範囲で崩れ、住宅施設の基礎が見えるなど一部損壊したため、ブルーシートをかぶせるなど応急処置を実施した。
豊住地区では、豊住ふれあい健康館から北に伸びる市道北部北羽鳥線のルート上で高さ2m・幅4m規模の法面崩壊などが発生。市道維持修繕業務を委託したランドワークら市内業者が復旧に対応した。
このほか、我孫子市や柏市、印西市で県道の冠水被害が確認されている。県内の被害状況(15日午後5時発表)をみると、住家被害は、がけ崩れによる一部損壊が2棟、床下浸水が柏市と鎌ケ谷市で各1棟となっている。
県建設業協会は、県と「地震・風水害・その他の災害応急対策に関する業務基本協定」を締結。土木事務所からの要請により、各支部は発災直後から県が管理する道路や河川などの公共土木施設の被害状況の調査、道路の通行を規制する看板設置などの安全措置、道路の応急工事を実施し、二次災害の防止や迅速な災害復旧に貢献している。