発電設備の検討プロポ 更新計画立案へ課題整理(宮城県 七ケ宿ダム)
[2021/7/30 宮城版]
国土交通省七ケ宿ダム管理所は、所内の管理用発電設備について、更新計画の立案に向けた概略検討業務を委託する。概略検討業務では、老朽化などの問題・課題を整理し、設備規模の妥当性を検討する。業務委託に当たり、29日付で簡易公募型プロポーザルの手続きを公告した。9月8日まで参加表明書や技術提案書を受け付け、審査して委託先を特定する。
七ケ宿ダムは竣工してから30年近くが経過しており、水車や発電機、監視操作卓、閉鎖配電盤などで構成する管理用発電設備(別表参照)は更新時期を迎えつつある。
今回委託する概略検討業務では、現地を調査して現況設備の運用に関する問題や課題を整理する。その上で、ダム管理用水力発電事業を継続するための設備規模の妥当性や、発電事業の方向性などを検討する。履行期間は2022年3月24日まで。業務成果は今後の更新計画の立案に向けた基礎資料とする。
プロポの参加資格は、単体企業か設計JVで、東北地方整備局から土木関係建設コンサルタント業務の資格認定を受けていることなど。
技術提案を求める評価テーマは「ダム管理用発電事業継続における設備規模の妥当性の検討および更新計画を立案する際の留意点」となっている。
同事務所は昨年度、「七ケ宿ダム電気設備設計業務」の簡易公募型プロポーザルを公告したが、取り止めた経緯がある。この業務では、管理用発電設備の劣化診断や精密点検を行い、電気負荷設備の健全度を評価して老朽化対策案の設計をまとめる予定だった。
今回新たに委託する業務では、そうした個々の設備に関する細かな診断・評価は抜きにして、発電事業の大枠に関する検討を行ってもらう。
七ケ宿ダムは中央コア型ロックフィルダムで、阿武隈川水系白石川(七ケ宿町)に阿武隈川総合開発の一環で建設された。総貯水容量は1億0900万立方m。有効貯水容量は9950万立方m。貯水池容量の内訳は、利水が6450万立方m、治水が3500万立方m。ダムの高さは90m。1991年10月に竣工した。
■七ケ宿ダム管理用発電施設 |
区分・名称 | 数量 | 規 格 | 設置場所 | ||
水車1号 | 水車2号 | ||||
管理用 発電設備 |
1式 | 最大出力 | 2,290kW | 1,450kW | 発電所 |
(2台運転時) | |||||
最高有効落差 | 54.5m | 49.3 | |||
最大使用水量 | 5.00m3/S | 3.472m3/S | |||
回転速度 | 600rpm | ||||
水車形式 | 横軸単輪単流 両掛フランシス |
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発電機容量 | 3,980kVA | ||||
定格電圧 | 6.6kV | ||||
発電機形式 | 横軸回転界磁形交流同期 | ||||
主変圧器 | 1台 | 電 圧 | 66/6.6kV | ||
容 量 | 4,000kVA |