道路沿いに2車線増設 富津竹岡~富浦 富津館山道路 県が都決手続
[2021/7/28 千葉版]
県は27日、国道127号富津館山道路の4車線化に向け、構想段階評価書の縦覧を開始した。対象となるのは富津竹岡インターチェンジ(IC)から富浦ICまでの延長19.2km区間。暫定2車線で供用されている道路に沿った区域に2車線を増設する構想となっている。9月3日まで県庁や館山市、富津市、南房総市、鋸南町などで縦覧できる。
富津館山道路の車線数を4車線にする構想。車線数の増加に関する部分や変更後の道路区域について、新たな道路部分の長さの合計が10km以上であることから、「環境影響評価法」の「第一種事業」に該当する。県は、環境影響評価を実施することを踏まえ、都市計画の手続きを進めていく。
構想段階評価書では、都市計画運用指針に基づき、おおむねの位置や規模など概略案の立案段階において、都市計画上の見地から総合的な評価を実施し、その結果をまとめている。
位置については、暫定2車線で供用されている道路の改築であるとともに、既設ICの位置を変更することは困難であることから、供用されている道路に沿った区域とする。規模については、新たに2車線増設するもので、現況道路と同程度を想定。構造については、既存の道路構造と同様の構造を考えている。
富津市竹岡から南房総市富浦間は、一般国道の自動車専用道路「富津館山道路」として、暫定2車線で供用している。2019年3月に富津竹岡IC~富津金谷IC間の一部区間3.4kmで、NEXCO東日本による付加車線設置が事業認可された。
19年9月に国土交通省道路局が公表した「高速道路における安全・安心基本計画」では、全線が4車線化の優先整備区間に選定されている。安全で円滑な交通を確保し、防災力を強化するため、早期に全線4車線化を図る必要がある。
富津館山道路の交通量は1日平均1万台を超えており、特に交通が集中する休日の夕方には上り線の金谷第一トンネル付近を先頭に鋸南保田IC付近まで、渋滞が発生している。暫定2車線区間では、その大部分が対面交通であることから、対向車線への飛び出しによる事故が起きやすく、事故が発生すれば重大な事故となる確率が高くなるなど、安全性や走行性、大規模災害時の対応などで大きな課題がある。