新たな湾岸道 計画具体化を決議 整備促進大会が初開催
[2021/7/21 千葉版]
新たな湾岸道路整備促進大会が20日、初めて開催され、熊谷俊人知事は早期実現に向けて全力で取り組んでいく考えを表明した。大会では、県と沿線市が一体となり、多車線の自動車専用道路として、速やかに計画段階評価に着手し、早期に計画の具体化を図ることなど6項目を盛り込んだ決議が採択された。
この大会は県と千葉、市川、船橋、習志野、市原、浦安6市が主催。来賓として、本県選出の国会議員や県議会議員のほか、国土交通省関東地方整備局の若林伸幸局長ら約60人が参加した。
熊谷知事は、新たな湾岸道路について、湾岸地域の慢性的な交通渋滞を解消し、地域の活性化や防災力の強化に大変重要な道路と指摘し、「県と沿線市は一丸となって、早期実現に向けて取り組んでいく」と決意を表明した。
来賓を代表して松野博一衆院議員があいさつに立ち、「新たな湾岸道路は本県の利便性や災害対応に必要不可欠。本県選出の国会議員として、しっかりと対応していきたい」と意気込みを語った。
意見発表では、県経済同友会幹事の赤星健二氏が「新たな湾岸道路の早期開通に向けて最大限協力していきたい」、千葉港運協会の宮本和也会長が「千葉港の機能強化を図るため、重要な道路」と述べ、計画の具体化を強く求めた。最後に小出譲治・市原市長が大会決議を読み上げ、採択されることが決まった。
「千葉県湾岸地区における規格の高い道路計画の基本方針」では、早期に整備効果を発揮できるよう、規格の高い道路として外環高谷JCT周辺から蘇我IC周辺・市原IC周辺までの湾岸部においてルートの検討を進める方向性が示されている。
ルートや構造の検討に当たり、東京湾奥部に残された貴重な干潟となる三番瀬について、県三番瀬再生計画との整合性を図るとともに、地域の生活環境に配慮する。
沿線市と意見を交換するほか、関係者からの意見を把握しながら検討を進めていく。速やかに計画段階評価の手続きに着手し、地元への丁寧な説明や意見把握を実施するなど、地域とコミュニケーションしながら検討を進める方針だ。
大会決議は次の通り。
▽外環高谷JCT周辺から蘇我IC周辺や市原IC周辺までの湾岸部において、多車線の自動車専用道路として、速やかに計画段階評価に着手し、早期に計画の具体化を図ること
▽ルートや構造に検討にあたっては、千葉県三番瀬再生計画との整合性を図るとともに、地域の生活環境に配慮した計画とすること
▽湾岸部の都県間についても検討を行い、計画を具体化すること
▽国道357号の渋滞対策について、確実に事業の促進を図ること
▽長期安定的に道路整備・管理を推進するため、新たな財源を創設するとともに、道路関係予算全体を増額し、必要な予算を確保すること
▽新たな湾岸道路の早期実現を目指すため、県や沿線市による期成同盟会を設立していくこと