子どもたちの安全確保に 路面標示施工技能士資格取得を推奨(県交通安全施設業協同組合・増田孝新理事長就任インタビュー)
[2021/7/20 千葉版]
組合は現在、組合員26社、賛助会員12社で活動している。県内の道路交通の安心・安全を守るとともに、県内経済の活性化・多様な交流・連携を支える道路ネットワークの整備・補修を推進している。
地域の安全に必要だと感じるのは、やはり子どもたちを守ることだと増田氏は言う。「通学路での悲惨な交通事故でも分かるように、生活道路の安全柵の設置は急務だ」との意気込みを語る。
道路上に安全柵を作るには、人が通るために75cmを確保しなければならないという。「難しい部分もあるが、白線、センターラインが引けない狭い道路を皆が使っているのが現状だ。道路拡幅も含めて要望などに盛り込む必要性を感じる。また、通学路のカラー舗装を進めていくことも重要だ」と子どもたちの安全を強調した。
組合は、ボランティア活動にも積極的に参加を続け、県内一円の標識、反射鏡の清掃と点検を毎年実施し、住民や自治体職員からも温かい労いと感謝の声がかかるという。組織を発展させるためには、路面標示施工技能士を増やすことや、外国人の受け入れも方策の一つだと増田氏は訴える。
「路面標示施工技能士は厚生労働大臣が認定した国家資格で、専任、主任技術者に相当する業界でも評価が高い資格の一つだ」と推奨する。
これまでの13年間で実技試験を実施した結果、組合で110人の有資格者が生まれ活動している。
「良好な公共事業のためにも、この資格を持っている人が活躍できる制度をお願いしたい」と、各自治体などにこれからも陳情を続ける。
「組合員企業が多くの路面標示施工技能士を育てることは、技術の研さんと企業も成長させる。そして、安定した経営が地域社会への貢献につながっていく」と話す。
増田氏は、これからの組合運営について「若手の不足と技術者の高齢化にどのように対応していくかが課題だ。働き方改革で魅力ある業界にしていきたいが、休日を増やすとなると中小企業にとっては、負担が多くなり難しい」と語る。ただ、「時代に合った組織にしていかなければ、組織は継続しない。組織を守るためには、職場環境を良くすることは重要だ。仕事づくりとともに人づくりにも励んでいきたい」と続けた。
最後に、「この仕事に誇りを持って働いている人が集まれば、自然と組織は発展する。汗をかいて働き、完成したものを見ることで、ものづくりの良さと生きがいを感じてほしい」と、自身の情熱と笑みを覗かせた。
【プロフィル】
ますだ・たかし 1952年大阪市生まれ。2005年に増田産業代表取締役社長、21年度に組合理事長に就任した。趣味は園芸で、全日本春蘭連合会会員でもある。東洋ランを200鉢育てている。