ビジターセンター改修 唐桑町/年度内に設計委託(宮城県気仙沼市)

[2021/7/16 宮城版]
 気仙沼市は、県有施設の唐桑半島ビジターセンター・津波体験館について、県から施設を譲り受け、全面的に改修してリニューアルする方針だ。本年度は改修に向けた基本・実施設計業務を委託する。6月補正予算には同業務の委託費に745万8000円を計上した。改修工事は来年度に発注する予定。

 同センターは唐桑町崎浜4‐3に位置しており、建物がRC造平屋468㎡の規模。唐桑半島の自然や文化を紹介する展示コーナーなどが設けられている。併設する津波体験館は、映像・音響・振動・送風などを組み合わせた全国初の津波疑似体験館となっている。

 1984年の開館で、施設が老朽化しているほか、展示の見直しなどが必要になっている。県は同センターの再整備事業を計画し、基本方針の策定に向けた調査業務を構建築設計事務所(仙台市青葉区)に委託。調査では今後の継続利用に当たり、建て替えと改修のどちらが有利かなどを検討した。その結果を踏まえて市と協議し、市に移譲することを決定。市が大規模改修することになった。

 市は、同センターが宮城オルレ気仙沼・唐桑コースの出発点になっていることや、みちのく潮風トレイルのコース上にも位置していることから、トレッキングの拠点にする考え。休憩所として利用しやすくするため、トイレなども新しくしたい意向だ。木の温もりを感じられるような山小屋風へのリフォームを構想している。

 新たな展示の仕方も含めた具体的なリニューアル方法は、基本・実施設計業務を委託し、同センターの管理・運営を担う唐桑町観光協会などとも協議しながら決める。

 今後のスケジュールは、来年度の6月補正予算で工事費を確保して工事発注し、同年度末の完成、2023年度当初のリニューアルオープンとなる見通し。

 同センターの隣接地には、国民宿舎「からくわ荘」が建っていたが、こちらは市が建物を撤去し、跡地の利活用を検討している。跡地の利活用に向けた調査検討業務はネイチュアエンタープライズ(大阪市)に委託。同社はアウトドアスポーツ用品の企画・販売などを手掛けるモンベル(同)の関連会社で、オートキャンプ場などアウトドア関連の活用提案を寄せた。

 同センターのリニューアルに当たっては、からくわ荘跡地との一体的な活用も視野に入れながら、地元住民らと話し合って具体化する。

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