柴田富上地区で農地整備 測量設計を10月委託 22年度着工/総事業費が約28億円(宮城県大河原振興事務所)
[2021/7/10 宮城版]
県大河原地方振興事務所は、本年度に新規着手となる柴田町富上地区の農地整備事業について、10月にも区画整理測量設計業務を委託する。入札方式は一般競争入札を想定。対象面積は約105haで、標準面積約1haの大区画化、道路の拡幅、用排水路の敷設のほか、約84haを対象に暗渠排水設備を整備する。22年度に着工し、2029年度の事業完了を目指す。総事業費は約28億円を見込む。
富上地区の農地整備は「県営富上地区土地改良事業」として計画。このほど、事業計画を定めたことから縦覧を開始している。
柴田町の富上地区は、五間堀川の左岸側に広がる水田地帯。現地は旧耕地整理により10aの区画に整備され、基本的な施設も整備済み。一方で末端用水路が用排水兼用であり、道路幅員も約2mと狭く、大型農業機械の導入など農業経営の近代化に支障がある状況。そのため農業競争力強化農地整備事業により、農地の汎用化も視野に高度利用の基盤形成を図る考え。
同地区の計画内容を見ると、区画整理事業の総面積は105ha。このうち農地が84.1haとなり、区画面積は1ha以上(190×60m)が約40ha、0.5~1ha未満が約29ha、0.3~0.5未満が約10ha、不成型の0.3ha未満は約4haとなる見通し。
用水対策は、揚水機場(水中ポンプ)を2カ所設置。用水路はパイプライン(塩ビ管)が計15.6km、支線用水路(フリューム管)が0.2kmの計約15.9kmを整備する。排水は▽支線排水路(排水フリューム・土水路)3.6km▽小排水路(排水フリューム)9.3km▽承水路(同)1.5km──の計約14.5kmを計画した。
道路計画は、砂利道なる支線道路(69路線)が幅員5mとし延長14kmを整備。このほか延長53mの耕作道路1路線を設ける。
また転作など農地の汎用化に向けた暗渠排水設備について83.5haを対象に整備する。集水渠はポリエチレン管(口径75~125mm)、吸水渠はポリエチレン有孔管(口径50~75mm)を想定している。
これら整備に係る総事業費は28億2500万円を試算。内訳は区画整理工に21億6000万円、暗渠排水工に1億5600万円、測量試験に2億0900万円、用地買収補償に9200万円、換地に7400万円など。事業期間は21~29年度とした。事業計画書作成は宮城県土地改良事業団体連合会、基本計画は大江設計(仙台市青葉区)が担当した。
事業計画の縦覧を柴田町役場で8月5日まで行ったのち、10月にも区画整理測量設計業務が入札公告される予定。発注見通しによると、今回は35haを対象とし、ほ場整備実施設計や基準点測量などをまとめる。履行期間は約3カ月に設定。概算金額は3000万円とした。併せて10月に地質調査業務の一般競争入札も公告する。
7~8月、実施設計公告 角田尾袋川東の農地整備
同事務所では、角田市の尾袋川東地区でも農地整備事業を計画。こちらは事業計画の縦覧を終えており、順調に進めば7~8月にも区画整理実施設計業務の一般競争入札を公告する見通し。業務の概算金額は3000万円。対象は角田市の江尻エリアの尾袋川と阿武隈川に挟まれた水田地帯の約95haとし、このうち約79haで区画整理する予定となっている。
業務では全体の一部について実施設計をまとめるほか、境界測量6.7kmを担当する。基本計画などの業務はサトー技建(仙台市若林区)がまとめた。2022年度の着工を見込む。