鹿沼土木 武子川両岸に調整池 仁神堂工区 両側歩道で750m改善

[2021/07/09 栃木版]
 県は、鹿沼市仁神堂町地内の国道293号750mの整備で、雨水を処理する調整池の諸元をまとめた。調整池は一級河川武子川を渡河する新仁神堂橋下流側の両岸に設置し、容量は左岸860立方m、右岸3300立方mを試算した。県鹿沼土木事務所によると、同地の武子川は未改修区間で、河川への流出を抑制し道路に降った雨水を一時貯留することを目的とした。同工区は本年度、用地調査を進め用地補償に着手する。

 事業は、一般県道鹿沼環状線との仁神堂町交差点から鹿沼市街地方面へ750mの法線を、現道北側の都市計画決定路線に沿って16mで整備する。同区間で渡河する武子川の仁神堂橋は、国道がカーブする狭あい箇所に加え、武子川の河積阻害となっており、現道の上流側に架け替える。

 新橋は橋長36m(支間長35m)で70度の斜橋。上部形式はポストテンション方式PC単純床版桁とし、下部工は直接基礎逆T式橋台2基で構成する。橋梁と調整池設計は、ピーシーレールウェイコンサルタント(宇都宮市)が担当している。

 同区間の293号は、都市計画道路3・4・204号水神通りとして幅員16mで都市計画決定している。同地の武子川は未改修なため、橋梁詳細設計では将来に備え、改修断面で諸元をまとめた。現橋は新橋の影響範囲に入らず、架設後は解体撤去を行う計画だ。

 16mの幅員構成は、車道6.5m(W3.25m×2)の両側に自転車専用通行帯1.5mを設け、歩道は両側に3.25mを確保する。付加車線は、起点部の鹿沼環状線と仁神堂橋の南西側で分岐する市道1073号の交差点2カ所に計画した。

 同区間は近隣に仁神堂幼稚園、菊沢東小学校、鹿沼東高校が立地し、1日当たりの自転車利用が644台、歩行者も355人を数えるなど非常に多いにもかかわらず、現道は歩道が1.5mと狭小なうえ、自転車通行空間も確保されていないことから、安全な通行に支障を来している。

 同区間は通学路安全対策プログラムの要対策箇所に加え、未就学児が日常的に集団で移動する経路の緊急安全点検箇所となっており、早急な対策が必要と判断。現道拡幅とバイパス整備を行い、歩道と自転車通行帯の整備により、児童・生徒をはじめ、地元住民らの安全な通行が確保されるとしている。

 現在の仁神堂橋は、豪雨時には溢水による路面冠水が生じ通行止めとなるなど、防災面でも課題が多い。令和元年東日本台風でも、路面冠水で通行止めの措置が取られたという。仁神堂橋付近の道路縦断を嵩上げすることで冠水が防止され、災害時の救援活動や物資輸送の緊急輸送道路として機能が強化されるとしている。

 現橋は本線の車道橋に加え、歩行者・自転車の通行の増加に伴い後年度、上下流側に側道橋が架設された。車道橋はRC2径間の斜橋で、橋長が14m、幅員は6m(有効幅員5.4m)の2車線。架設は1937年だが、補強補修を実施し2002年の道路示方書に適用している。

 上流側の側道橋(歩道)は1958年、下流側は84年に架設され、下流側については補強修繕対策を実施した。上下流の側道橋ともワンスパンで幅員が2mあり、橋長は上流側が16m、下流側は17.6mとなっている。

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