黒磯那須BP・那珂川橋に着工 事業概要 118カ所で64億円を投入 大田原土木

[2021/07/08 栃木版]
 県大田原土木事務所は、118カ所に64億3981万円を投入する2021年度の事業概要をまとめた。内訳は、道路・街路事業が91カ所で54億4039万円、河川・砂防事業が26カ所で8億1800万円。受託事業が那須地方庁舎整備の外構工事と駐車場設計で1億8142万円を配分した。新規の道路事業は、交付金で黒磯黒羽線大谷橋架け替えに伴う設計に着手するほか、県単では中田原寒井線の平面図化を実施。西那須野那須線黒磯那須バイパスは、那珂川を渡河する橋梁の下部工を発注する。新規砂防は、那須町蓑沢の木下沢で堰堤1基の整備に向けて詳細設計を策定。那須塩原市の蛇尾川砂防は、12.7㎞に効果的な構造物を再配置するため、全体計画の策定に乗り出す。 =2面に事業予定箇所
 国庫補助に振り替えた重要物流道路の400号三島・西赤田工区は、用地調査や用地補償を推進し、改良・舗装工事を実施する。新富町工区は、重要物流道路の東進区間に当たり、鹿島川渡河部の神明橋を橋長13.6㍍のボックス工に決め、法線を改善し幅員15㍍に拡幅整備する。歩道は両側に3㍍を確保し、電線類地中化を計画した。路線測量や道路と地中化の設計を踏まえ、用地補償に着手する。鹿島川は調整池工事を継続するほか、護岸工を2分割し、第2と第4四半期に一般競争で発注する。
 金燈籠交差点を挟んで、新富町工区の東進区間となる街路事業の3・4・1号中田原美原線城山は、一級河川蛇尾川橋まで650㍍を拡幅改良する。拡幅に伴う竜頭公園影響部の切土工事は、斜面を保全するため擁壁工に決めた。新富町工区と整合を図り、幅員15㍍に拡幅し、両側歩道3㍍には電線類地中化を計画。用地測量を踏まえ、用地補償・買収に着手する。
 那須塩原市と那須町を結ぶ西那須野那須線バイパス(黒磯那須バイパス)は、那珂川を渡河し現道の西・上流側にバイパス2070㍍を整備する。このうち橋梁部は252㍍で、上部形式は5径間連続変断面鋼細幅箱桁。下部工は橋台2基を事務所、中央の橋脚1基(P2)を本庁で発注する。P1橋脚はニューマチックケーソンで、22年度の発注準備を進めていく。
 那須町の豊原高久線高久駅周辺は、狭あい区間を回避するバイパスを整備する。駅前の狭あい区間の拡幅を含め、2270㍍の道路法線を固め、バイパス部北側700㍍の用地補償に着手。22年度は、JR横断部予備設計や地質・土質調査などの成果を基に、FEM解析を実施する予定。
 大田原氏家線親園佐久山バイパスは、事務所発注の簡易Ⅱ型一般競争を適用し、本年度は箒川橋梁A1橋台側の盛土工を発注。佐久山側の斜面盛り土は、ジオテキスタイルで第3四半期の発注を見込んでいる。箒川の新橋は147㍍、3径間連続鋼I(少主)桁に決め、22年度以降の上部工の発注準備を進めていく。
 大幅な進ちょくを図るのは、防災対策で橋梁の点検と補修工事。点検は大田原20橋、那須塩原38橋、那須は14橋を実施し、補修工事は大田原の294号豆田橋や南方須佐木線大橋、那須町では那須高原線の湯川橋や苦戸橋などに着手する。黒磯棚倉線は茨城県境の戸中峠付近の狭あい区間の改善に向け、平面図化と測量を継続。上塩原の地すべり対策は、H1とIブロックで集水ボーリング工の実施を決めた。
 法面の安定化を図る道路防災では、黒磯棚倉線・梓、黒磯田島線・深山、塩原矢板線・塩原などの推進を図る。斜面の傾斜や想定される被害などに対応し、土石流が危険視される箇所では落石防護柵、岩盤崩壊では防護網、落石危険箇所には吹付法枠や植生工を計画。保安林解除や用地補償を進め、準備の整った箇所から工事を発注していく見通しだ。
 拡幅改良を含めた交通安全施設整備は、那須塩原市が西那須野薄葉線・太夫塚、西那須野那須線・埼玉、関谷上石上線・下田野など。大田原市では294号・小船渡、黒磯黒羽線・中野内は交付金化し、橋梁設計や用地補償を進めていく。
 砂防事業のうち、大田原市黒羽田町地内の田町1号沢は堤高7.1㍍、堤長56㍍のクローズ型堰堤の下流に渓流保全工29.9㍍と床固工1基を計画し、同地内の田町2号沢は堤高10.8㍍、堤長64.5㍍のクローズ型堰堤1基を整備する。両堰堤とも施工に向け、砂防指定地申請を進める。

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