真岡土木 測量と道路詳細を発注 つくば益子線長堤II 交差点と水路横断部検討
[2021/07/07 栃木版]
県は、益子町の主要地方道つくば益子線長堤バイパス南進区間(長堤II工区)2100mの整備で、第2四半期にも道路構造を確定する路線測量と道路詳細設計を発注する見通しだ。I期工区の事業が終盤を迎え、供用の見通しが立ってきたためで、県真岡土木事務所によると、北側の1000mと南側1100mに2分割して発注を検討している。北側は交差点3カ所と用水路横断部2カ所の構造物の検討、南側には交差点3カ所を整備する計画となっている。
II期工区のルートは、農地で比高を利用し、車道両側には農耕車両と歩行者・自転車が共存できるよう、幅員5mの副道を確保する。このバイパスは、現道タッチを集落に影響の少ない小泉地内とし、道路用地0.7haを県営農地整備事業小泉地区の非農用地で創出する。事業費には11億円を試算している。
長堤バイパスは、町中心部から道の駅「ましこ」が立地する一般県道西小塙真岡線との交差点まで、3820mをI期工区として整備を進めている。同県道交差点から南進区間については17年度、新規箇所として調査に着手。現道とどこの位置でタッチするのが望ましいかなど、複数案を概略設計で検討していた。概略設計は、富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)が担当した。
整備中の長堤バイパスは、将来の交通需要を見据えて完成4車線、暫定2車線での供用を予定しているものの、南進区間は交通量を考慮し、車道のみ8.5mの2車線で計画。幅員構成は、車道3.25m×2車線の両側に自転車通行帯として路肩1mを確保する。集落道や農作業道など、複数の既設道路を拡幅改良することを基本方針に法線を決めた。
両側の副道は5mで計画し、副道を含めた全幅は18.5m。副道には農耕車両や歩行者・自転車を誘導する。この区間には通学児童らもおり、安全性などを考慮して副道へのアクセスポイントを等間隔に5カ所程度に絞る計画。周辺には比較的高低差のある農地が広がっており、車道に隣接して副道が確保できない箇所には、地形などを利用し車道と副道境へ土壁などの設置の必要性などの検討も進めていく見通しだ。
ルート予定区間には河川も無く、橋梁などの構造物に加え、雨水排水は農業用排水路を活用するため現在のところ調整池なども計画していないという。主要交差点は北の西小塙真岡線と南の現道タッチの2カ所だが、農地や集落を結ぶ町道との交差点が4カ所設置される計画。主要交差点2カ所では付加車線を設置し、車道部の幅員を11.5mで計画している。
現道タッチ付近では、小泉地区農地整備事業で非農用地として道路用地を創出する。小泉地区はすでに面工事に着手しており、バイパスの路線測量や詳細設計を受け入れる準備が整っている。
陶芸のまち「ましこ」には、茨城県西部地域からも多くの観光客が訪れ、20年度には笠間市の陶芸の郷と合わせ「かさましこ」が日本遺産に登録された。この県道は桜川市の国道50号交差点付近で北関東自動車道桜川筑西ICにアクセスするほか、日本遺産の登録と合わせ隣接する笠間市との連携による観光振興が期待されている。
交通量の増加を見込んで県は長堤バイパスの事業化を決め、北側の3820mについて08年度に着手。同区間の整備が進ちょくしてきたことから、17年度には南進区間のルート検討に乗り出し、19年度から国庫交付金を充当し事業化に着手している。