地元建設業が奮闘 土砂崩れや冠水被害 県内豪雨

[2021/7/6 千葉版]
 活発な梅雨前線が停滞した影響で2日夜から3日にかけて、関東・東海地方を中心に記録的な大雨となり、県内でも土砂崩れや法面の崩壊、低地での冠水などの被害が発生した。地元建設業者は、地域の安全・安心を守るため、道路啓開や応急復旧など災害対応に奮闘している。

 県は、匝瑳市と多古町で土砂災害警戒情報が発表されたことに伴い、3日午前0時28分に災害即応体制に移行。県土整備部の各土木事務所は、パトロールを実施し、県建設業協会(高橋順一会長)の各支部とともに情報収集にあたった。

 安房土木事務所管内では、県道外野勝山線(鋸南町奥山)で路肩の崩落、同(南房総市荒川)と県道富津館山線(南房総市上滝田)で法面の崩落、県道犬掛館山線(南房総市犬掛)で法面崩落による倒木の4カ所で被害が出たため、館山支部が応急復旧に取り組んだ。

 君津土木事務所管内では、国道409号(木更津市笹子)、県道上高根北袖線(袖ケ浦市椎の森)の2カ所で冠水、国道465号(君津市辻森)、同(富津市佐貫)、県道袖ケ浦姉崎停車場線(袖ケ浦市蔵波)、同(袖ケ浦市長浦1丁目)の4カ所で土砂崩れ・法面崩壊などの被害が発生し、君津支部が対応した。

 市原土木事務所管内では、県道千葉鴨川線の椎の木台地区で法面が崩壊し、土砂が流出したため、片側車線が通行できなくなった。新千葉建設(市原市)が土砂を撤去し、土のうやビニールシートによる応急復旧にあたった。

県道脇の法面が崩落し、応急復旧を進めた(市原市椎の木台付近)

県道脇の法面が崩落し、応急復旧を進めた(市原市椎の木台付近)

 夷隅土木事務所管内では、降雨量が24時間当たり150mmを超えたため、道路4カ所について、夷隅支部が通行止めの看板を設置。大森組(勝浦市)が国道128号、佐久間建設(勝浦市)と山本建設(大多喜町)が県道小田代勝浦線、伊藤工務所(勝浦市)が県道勝浦上野大多喜線、山本建設が国道465号をそれぞれ担当した。

 印旛土木事務所管内では、県道佐倉停車場千代田線の佐倉市羽鳥地区で冠水による被害が発生したため、尾出建設(四街道市)が対応した。

 成田土木事務所管内では、国道464号の成田市大袋地区の路肩部分となる法面延長約24mが崩落。車線片側の通行に支障が出ていることなどから、小高興業(成田市)が応急復旧を進めている。

 山武土木事務所管内では、数カ所の被害を確認し、山武支部にも対応を依頼。その協力も得て復旧作業を進めているという。

 香取土木事務所管内では、小見川大橋近くの県道成田小見川鹿島港線で、通報のあった小さな陥没穴を埋めるのに、同エリアを担当する香取支部の会員に依頼、出動した。

 海匝土木事務所管内では、その場で対応が可能な倒木の除去などを土木事務所職員が実施。急を要さないと判断されたものの、法面崩れなども確認しており、早急に土留工事などの対応を八日市場支部などと検討していく。

 柏土木事務所管内では、県道千葉竜ケ崎線「布佐アンダーパス」を一時通行止めにするとともに、3日午前に我孫子市内、午後に柏市内のパトロールを実施するなど、危険性の有無や通行状況の把握に努めた。

 県建設業協会は、県と「地震・風水害・その他の災害応急対策に関する業務基本協定」を締結。土木事務所からの要請により、各支部は発災直後から県が管理する道路や河川などの公共土木施設の被害状況の調査、道路の通行を規制する看板設置などの安全措置、道路の応急工事を実施し、二次災害の防止や迅速な災害復旧に貢献している。

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