23年度まで13橋を対策 日光道 PA浄化槽や気象観測設備 県道路公社

[2021/07/03 栃木版]
 県道路公社は、2023年度の計画期間で実施している日光宇都宮道路(日光道)のリニューアル事業の進ちょく状況をまとめた。大規模修繕のうち、橋梁は3橋の設計と13橋の対策工事、トンネルは設備更新の受配電設備で完了することが分かった。佐野一道常務理事が本紙のインタービューに答えたもので、受配電設備更新はIC・PAなど23年度まで継続。日光口PAの浄化槽更新は22年度の着工予定で設計に着手するほか、4カ所の気象観測設備は23年度まで3カ年で実施する。 =4面に佐野一道常務理事インタビュー

 同公社は21年度当初予算で、リニューアル事業に19億9900万円を配分した。7橋の耐震補強・修繕に着工するほか、後年度の補強・修繕に備え、中妻高架橋(上りL277.7m、下りL216m)、石那田橋(L43.9m)、徳次郎橋(L16.1m)3橋の設計費を計上した。

 工事費を配分したのは、舟ヶ沢橋(L10m)、日光IC橋(L106.8m)、今市橋(L63.8m)、蛇沢橋(L19m)、天神前橋(L31m)、上町橋(L35m)、堀ノ内橋(L25m)の7橋。

 舟ヶ沢橋は、神主山トンネル内のシェッド区間に架設し、上部が単純RC中空床版、下部工は重力式橋台2基で支える。20年度に工事を予定していたが、21年度に先送りした。工事の概要は伸縮装置の取替、防水・舗装修繕、壁式高欄の断面修復などを実施する。

 日光IC橋は、IC料金所付近で日光道をオーバーパスしており、上部形式がRC2径間連続中空床版の3連構成。補修対策では伸縮装置の取替、ひび割れと断面欠損部補修、防水舗装、水平力分担構造等を予定しており、耐震補強は変位制限装置の設置や橋脚の増厚などを検討している。

 このほか、対象橋梁の上部工は今市橋がRC4径間連続中空床版、蛇沢橋がRC単純中空床版、天神前橋が鋼単純非合成鈑桁で、上町橋と堀ノ内橋はPC単純合成桁。いずれも上面工を計画しており、伸縮継ぎ手の取替、橋面防水、舗装の打ち替えなどを実施する見通しだ。また、天神前橋と上町橋は下面工の実施も検討しており、ひび割れ補修、断面修復、落橋防止構造と支承の塗替えなどを計画した。

 補修のため設計に着手するのは、中妻高架橋(上りL277.7m、下りL216m)、石那田橋(L43.9m)、徳次郎橋(L16.1m)の3橋。落橋防止装置による耐震補強を実施した中妻高架橋は、上りがPC9径間単純合成桁、下りはPC7径間単純合成桁で、石那田橋は鋼単純合成版桁、徳次郎橋はPC単純T桁となる。

 設計委託ではこのほか、日光口PAの浄化槽設備を更新するため、詳細設計を発注する。現在の浄化槽は下りに集約して埋設されており、更新に伴い上りに埋設する計画となっている。

 舗装は路肩折れ部分の優先度が高く、本線の轍掘れなどと比較して対策箇所を検討する。情報板は清滝ICと日光ICの各1基を更新。標識は全線にわたり、色あせや反射板など不具合が見られる20~30カ所程度を更新する。

 伝送装置は速度規制など道路情報などを制御するもので、対象は中継機器と通信ケーブルなど。日光・大沢間13.8kmが完了しており、21年度は大沢・宇都宮間11.7kmを施工する。

 照明は、日光ICの10基程度を更新する。機材庫はブロック造で、料金所の無い各ICに設置され、カラーコーンや遮断用バー等閉鎖用機材を格納しており、老朽化に伴い改修する。ネットフェンスは全線を対象に、道路と民地の間の不具合箇所を補修。横断防止柵は日光口PA下りで、土手を乗り越える車両の侵入防止を目的に設置する。

 防草工は中央分離帯を対象に、大沢・日光間で実施する。ETC中央装置はクレジット決済の中枢設備で、5年に一度の更新が義務付けられている。非常用電話は、上下線1km間隔で設置され、伝送ケーブル24基(12×2本)を更新する。

 気象観測設備は、大沢、土沢、日光、清滝の4カ所に設置。気温と走行道路の路温、風向・風量、雨量などの観測に加え、大沢に震度計、清滝には視程計が設置されているが、走行の安全性を確保し、機能を安定的に維持するため更新する。受配電設備は、更新の必要な徳次郎IC・今市IC・清滝ICと日光口PAの4カ所を実施する。

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