荏原環境グループ選定 ごみ処理施設 延命化と包括運営(浦安市)

[2021/7/1 千葉版]

延命化と管理を委託するクリーンセンター

延命化と管理を委託するクリーンセンター

 浦安市クリーンセンターは、廃棄物処理施設基幹的設備改良工事及び長期包括責任委託事業の委託事業者を選定する公募型プロポーザルを実施、優先交渉権者として現在の運営事業者である荏原環境グループを選定した。代表企業は荏原環境プラント(東京都大田区)。構成員(協力会社)はクリタス(東京都豊島区)と浦安清運(浦安市)の2社。第1期の長期包括責任委託事業の期間が満了することから、既存施設の延命化、統括マネジメント業務および運転・維持管理業務を委託する。予定価格275億8600万円に対して、提案価格は275億8200万8000円(ともに税抜き)。設計施工は2026年3月末、運営は35年3月末までの期間を設定している。

 今回の公募では、同グループのみが応募。選定委員会で審査、選定した結果を踏まえ、市が優先交渉権者として決定した。提案価格の内訳は、基幹的設備改良工事が95億8428万円、長期包括責任委託事業が179億9772万8000円(ともに税抜き)。

 同市では、クリーンセンター施設のうち、焼却施設を1995年に稼働。2012年度からは、再資源化施設など4施設一体での長期包括責任委託による運営を開始した。22年3月末に、現事業の期間が満了することから、既存施設の基幹的設備改良工事と運営をDBO方式で発注することにした。

 基幹的設備改良工事の対象施設は、焼却施設、不燃・粗大ごみ処理施設、再資源化施設の3施設。一方、長期包括責任委託業務では、同3施設に、し尿処理施設を加えた計4施設の維持管理、運営を委託する。

 主な業務内容は▽統括マネジメント▽基幹的設備改良工事に伴う設計・施工▽運転・維持管理▽エネルギーの有効利用▽事業期間終了時の対応──。

 設計・施工期間は、焼却施設、不燃・粗大ごみ処理施設の2施設が25年度末まで。再資源化施設が23年度末まで。4施設の運営業務期間は、22年度~34年度末。焼却施設、不燃・粗大ごみ処理施設については、運営期間終了後10年間のオプション期間を設定する。また、再資源化施設、し尿処理施設については、35年3月で利用を停止。同施設の余剰地に、新規施設を整備する事業を別途実施することを検討している。

 クリーンセンター(千鳥15番地2)の面積は4万4358平方m。ごみ焼却施設、不燃・粗大ごみ処理施設、再資源化施設は荏原製作所、し尿処理施設は栗田工業の設計・施工で建設された。

 焼却施設の処理方式は、全連続燃焼式焼却炉(流動床式)。処理能力は1日あたり90tが3炉の計270t。

 不燃・粗大ごみ処理施設の処理方式は、堅型衝撃・剪断併用回転式。処理能力は5時間あたり70t。

 し尿処理施設の処理方式は、高負荷脱窒素処理方式(下水道放流)。処理能力は1日あたり35kl。なお、各施設の規模の変更は予定していない。

 事業者選定に伴うアドバイザリー業務は、19年度に長寿命化総合計画の策定を担当した日本総合研究所(東京都千代田区)に委託していた。

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