関連棟に債務8億円 リース方式 新市場で22年秋開場(成田市)

[2021/6/25 千葉版]
 成田市は、開会中の市議会6月定例会に、公設地方卸売市場特別会計補正予算案を追加した。新市場に移転する関連食品棟をリース方式で整備するため、借上料として限度額8億円の債務負担行為を設定している。期間は2021~32年度の12カ年。補正予算案の提出に伴い、新市場整備・輸出拠点化等調査特別委員会を開催、関連食品棟の整備について協議するため、6月定例会の会期を23日から30日まで延長した。工期をできる限り短縮、22年秋までに整備するため、設計施工を一般競争入札で一括発注することを想定している。

 関連食品棟については、現市場の関連食品棟を管理する成田総合流通センター(本社・東京都港区、事業所・成田市)が移転建替を計画。移転を希望する事業者へのヒアリングを進めていた。だが、移転後の入居費などで折り合いがつかず、関連事業者の取りまとめ作業が難航。

 市では、移転を希望する関連事業者から、市で新市場を整備・運営してほしいとの嘆願書が提出されるなど、現状のままでは、円滑な移転は困難と判断。5月下旬の公設地方卸売市場運営審議会で、民間事業者に代わって市が事業主体となり、関連食品棟を整備運営することにした。

 建設予定地は、水産棟の南側(集客施設棟の東側)、建物は平屋。規模は1区分66平方mの12区分を想定している。22年1月には本体棟が開場することから、整備にあたっては、できる限り工期を短縮するため、リース方式を採用。市は、入居事業者の意見などを踏まえ、規模や整備スケジュールなど詳細の取りまとめを進めることにしている。既存関連食品棟の事業者は30社前後。

 本体棟の施工は、各構成員が一体となって工事を施工する共同施工方式で進め、建築工事は新日本・国井特定建設工事共同企業体(特定JV)、機械設備工事は朝日・三和特定JV、電気工事は関電工・小峯・平野特定JVが担当している。

 本体棟全体の構造・規模は、S造3階建て2万8502平方m。建設面積は1万5613平方m。S造2階建て延べ5903平方mの青果市場、同2階建て延べ8481平方mの水産市場、同3階建て延べ1万1416平方mの高機能物流棟で構成。8月末には竣工する予定だ。

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