新博物館5000平方m規模に 27年度開館へ 整備・運営手法を検討(千葉市)
[2021/6/24 千葉版]
千葉市は、特別史跡加曽利貝塚に建設する新博物館について、整備・運営手法の検討を本格化する。旧小倉浄化センター敷地や市有地を活用して、加曽利貝塚の価値を広く発信し、後世へと継承するためのガイダンス機能を備えた博物館を新築する計画。施設規模は延べ5000平方mを想定していることが分かった。2027年度の開館を目指す。
市文化財課は「特別史跡加曽利貝塚新博物館整備・運営手法等及び集客活用エリア事業化検討調査業務委託」のプロポーザルを公示した。委託限度額は2000万円となっている。
同業務では、新博物館の整備・管理運営について、官民連携手法を導入するメリットやデメリット、民間事業者の参入可能性について詳細な調査を実施。従来手法と官民連携手法を比較し、市の財政負担の軽減、施設の設置目的の達成・付加価値向上などの資する最適な手法を検討していく。
併せて、グランドデザインで定めた「縄文の森ゾーン」内の集客活用エリアで実施する集客事業について、民間事業者へ事業参入意向調査を行う。民間事業者の参入可能性とともに、市と民間事業者の役割分担を整理し、概算整備費や整備スケジュールなどをとりまとめる。履行期限は22年3月31日まで。
プロポの参加資格要件は、20・21年度市委託入札参加資格者名簿に登録されていることのほか、業務実績などを求める。7月16日まで企画提案を受け付け、27~29日のプレゼンテーションを経て、委託契約予定者を選定する。
同市では、1966年に開館した千葉市立加曽利貝塚博物館について、特別史跡指定地外への移転を目指し、「新博物館基本計画」の検討を進め、今年3月に中間取りまとめ案を策定した。
施設計画では、施設整備の基本的な考え方のほか、「収集・保存」「調査・研究」「展示」「教育・普及」「史跡ガイダンス」「利用者サービス」「管理」「共用・電気・機械」の各部門で必要な諸室を整理している。基本計画策定支援業務は丹青社(東京都港区)が担当。
新博物館の検討のほか、2019年2月に策定した「特別史跡加曽利貝塚グランドデザイン」に基づいて、園路やサインの改修をはじめとした特別史跡指定地内の整備を進めている。今後、縄文の森特別緑地保全地区などでの周辺整備を進めていく方針だ。