10市町14事業に4.6億円 水道交付金 耐震管更新や浄水場改善
[2021/06/19 栃木版]
県生活衛生課は、水道事業における国の生活基盤施設耐震化等交付金の内示箇所をまとめた。2021年度(20年度補正を含む)は、本県10市町14事業の内示額が4億6688万円となった。新規は無く、佐野市の田沼浄水場は紫外線処理装置を設置するほか、那須塩原市は鳥の目浄水場の機能強化を目指して第3配水池を更新する。このほかは、災害時の緊急給水体制を確保するため、重要給水施設配水管と水道管路緊急改善など管路網の整備が9市町11事業を占めた。
宇都宮市は、松田新田浄水場沈殿池の底面や側壁などコンクリートを増厚する耐震補強工事を継続。4系統ある沈殿池で順番に耐震補強を進めるほか、急速ろ過池や配水池の耐震化も予定し、本年度は実施設計を行う。
松田新田浄水場ではまた、導水連絡管の耐震化を継続。国庫充当前の16年度に実施設計を行い、本年度は延べ590mの導水管を施工するほか、3840平方mの舗装復旧工事を実施する。全体では延べ4680mの更新を計画しており、本年度は布設前の管路を撤去するため実施設計を委託する。
佐野市はクリプトスポリジウム対策として、新たに田沼浄水場へ紫外線照射装置を設置する。各浄水場への整備の一環で、19年度は多田浄水場を実施した。各浄水場とも2カ年をベースに整備を進めており、本年度は紫外線照射装置に合わせた動力制御盤、計装盤、監視制御設備機能増設に加え、場内配管を行う。
鹿沼市は第3浄水場の機能強化を目的に、紫外線照射設備に加え、水道管路緊急改善と重要給水施設配水管事業を導入する。水道管路緊急改善は第3浄水場への導水管のうち780mを耐震性のあるダクタイル鋳鉄管に更新し、うち本年度は374m(φ300)を施工する計画。重要給水施設配水管は延べ4700mのうち、650m(φ350)を計画している。災害時の広域避難場所となる鹿沼高校と鹿沼西中学校との配水ネットワークを構築する目的で、25年度までに計画的に更新していく。
大田原市は、湯津上地区で耐震管の整備を継続。地域防災計画で位置付けた緊急避難場所の湯津上中学校や公民館、病院など延べ2187mを整備し、配水ネットワークを構築する。本年度は狭原浄水場から佐良土西コミュニティセンター1600mのうち、佐久山東部給水区から福原小学校間の530m(φ100)を実施し、管種はHPPEを採用する。耐震性の低い基幹水道施設の耐震化では、大田原浄水場の浄水池を対象とし、佐久山東部浄水場から配水池まで送水管400m(φ150)を耐震管のダクタイル鋳鉄管に更新する。
那須塩原市は、鳥の目浄水場の耐震化で本年度は第3配水池を更新するほか、浄水施設の詳細設計を実施する。容量4000立方m規模を維持し、2池(V2000立方m×2)に分け整備する。重要給水施設整備は黒磯地区が対象。東原小学校や共栄小学校を対象に耐震性を確保したダクタイル鋳鉄管670m(φ400)を市道横林接骨木線に布設する予定としている。
さくら市は給水区域内無水源整備で、氏家南東部の一般県道花岡狭間田線東側の水道未普及地域を対象に、延べ9600mの管路網を整備する。HPPEを主体に本年度が完了予定で、1585m(φ50~150)を計画した。
壬生町は、中央配水場から獨協医大への給水を確保するため、ダクタイル鋳鉄管延べ500m(φ400)を施工する。
塩谷町は、玉生地区で配水耐震管の更新を実施する。玉生水源から南下し、玉生小学校や玉生コミュニティセンターなどダクタイル鋳鉄管715m(φ150~200)を計画しているほか、22年度以降の布設替えに備え設計を進める。
那須町は湯本地区を対象に、横沢浄水場から低区配水池と高区配水池への送水管延べ4000mを耐震性のあるダクタイル鋳鉄管に更新する計画。本年度は横沢浄水場から低区配水池まで、1005m(φ150)の布設替えを実施する。
那珂川町は、布設後40年を経過した基幹管路1350mの耐震化について、23年度の完了を目指す。久那瀬地区を対象に川崎浄水場から配水池までの送水管を整備するもので、本年度は250mを施工する予定だ。
交付金内示箇所は次の通り。([1]補助事業名[2][2]21年度事業内容[3]事業期間[4]交付金内示額、単位・万円)
▽宇都宮市=[1]基幹水道構造物の耐震化[2]松田新田浄水場の沈殿池耐震補強工事、急速ろ過池・配水池の耐震補強実施設計[3]15~24年度[4]3129
▽宇都宮市=[1]水道管路緊急改善事業[2]導水管布設替えL590m[3]17~24年度[4]1億3289.7
▽佐野市=[1]高度浄水施設等整備[2]田沼浄水場紫外線照射設備設置(電気・機械設備)[3]20~21年度[4]6250
▽鹿沼市=[1]水道管路緊急改善事業[2]導水管布設替えL374m[3]18~21年度[4]1610
▽鹿沼市=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L650m[3]18~25年度[4]2839.2
▽大田原市=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L2130m[3]12~23年度[4]3096.3
▽大田原市=[1]水道管路緊急改善事業[2]送水管更新L400m[3]19~23年度[4]690.3
▽那須塩原市=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L670m[3]12~21年度[4]4145.5
▽那須塩原市=[1]基幹水道構造物の耐震化[2]鳥野目第3配水池の更新工事[3]19~29年度[4]1786.4
▽さくら市(氏家南東部)=[1]給水区域内無水源[2]配水管布設L1585m[3]19~21年度[4]2665
▽壬生町=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L500m[3]10~24年度[4]2189.1
▽塩谷町(玉生)=[1]重要給水施設配水管[2]配水管布設L715m[3]19~29年度[4]1091.9
▽那須町=[1]水道管路緊急改善事業[2]送水管布設替えL1050m[3]20~29年度[4]3009.2
▽那珂川町=[1]水道管路緊急改善事業[2]送水管布設替L250m[3]19~23年度[4]897.2