未来への投資必要 県議会に31議案上程 熊谷知事
[2021/6/18 千葉版]
6月定例県議会が17日に開会し、熊谷俊人知事は補正予算案など31議案を上程した。熊谷知事は就任2カ月間で県内を視察したことを報告し、「千葉の未来を切り開いていくためには、将来を見据え、県政のさまざまな分野で未来に投資していく必要がある」と強調した。会期は7月13日まで。
議会開会にあたり熊谷知事は、提案した議案について説明するとともに、これまでに対応してきた諸課題について報告した。
熊谷知事は、4月17日に旭市の旭中央病院や銚子市の名洗港、同27日に房総半島台風により大きな被害を受けた館山、南房総、鋸南3市町、5月20日に新型コロナウイルス感染症の影響が大きい成田空港を視察し、首長ら関係者と意見を交わした。
今後の県政運営にあたり、県が目指す姿を示すとともに、その実現に向けて必要となる重点的な施策をとりまとめた、新たな総合計画を策定する考えを表明。年度内に議会にはかれるよう取り組んでいく方針を示した。
「東京2020オリンピック・パラリンピック」について、「誰もがその人らしく生きる、分かりあえる共生社会の実現につながる貴重な機会」と述べ、「安全・安心が確保されるよう、会場自治体として、しっかり取り組んでいきたい」と意気込みを語った。
6月補正予算案は、知事選挙があったことから「肉付け予算」として編成。一般会計の予算規模は1857億1900万円で、このうち普通建設事業費は522億9600万円を配分している。
県民生活の利便性向上や経済活性化につなげるため、北千葉道路をはじめ、銚子連絡道路、長生グリーンラインなどのアクセス道路や、地域に密着した道路など、道路ネットワークの整備を強力に推進する。
物流拠点としての港湾機能を強化するため、千葉港千葉中央地区の埠頭再編整備に着手するとともに、名洗港の改修や館山港多目的桟橋の改良工事などの港湾整備も拡充する。
このほか、一宮川流域浸水対策をはじめとする河川改良、香取警察署の建て替え、児童相談所2カ所を新設するための基本設計、船形漁港内の荷さばき施設の建て替え支援などを進めていく方針だ。
補正予算案で、新たに追加する債務負担は次の通り。▽事業名=[1]期間[2]限度額──の順。
【一般会計】
▽県有施設再整備事業(安房地域合同庁舎再整備事業)=[1]21~22年度[2]1億0300万円
▽児童相談所等施設整備事業=[1]21~22年度[2]1億0100万円
▽農業大学校大規模改修事業=[1]21~22年度[2]2億5100万円
▽中野畑沢線外1線街路整備事業=[1]21~22年度[2]1億5600万円
▽鉄道高架事業=[1]21~24年度[2]11億5000万円
▽社会資本整備総合交付金事業(交付金街路)=[1]21~22年度[2]3億6000万円
▽県単街路整備事業=[1]21~22年度[2]6000万円
▽無電柱化推進計画事業=[1]21~22年度[2]3000万円
▽災害防止事業=[1]21~22年度[2]1億円
▽住宅市街地基盤整備事業=[1]21~22年度[2]1億5000万円
▽低地対策河川事業=[1]21~22年度[2]3億円
▽総合治水対策特定河川事業=[1]21~22年度[2]1億2000万円
▽河川激甚災害対策特別緊急事業=[1]21~24年度[2]21億4000万円
▽老朽化対策緊急事業=[1]21~22年度[2]2億5500万円
▽香取警察署庁舎整備事業=[1]21~22年度[2]1億8800万円
▽香取待機宿舎整備事業=[1]21~22年度[2]3100万円
【特別会計港湾整備事業】
▽港湾整備事業(荷役機械事業)=[1]21~23年度[2]12億2000万円
【特別会計流域下水道事業】
▽手賀沼流域下水道事業=[1]21~23年度[2]4億1500万円
▽江戸川流域下水道事業=[1]21~23年度[2]34億2700万円