6カ所を長寿命化 市営住宅あり方検討委(茂原市)

[2021/6/17 千葉版]
 茂原市営住宅あり方検討委員会の初会合が市役所で開かれた。市営住宅を取り巻く現状や課題が報告され、市営住宅長寿命化計画などに基づき、6カ所で長寿命化事業を進めていく方針が示された。長谷住宅では今年度、初弾となる改善工事に着手する。真名住宅については、用途廃止に向けた検討を本格化する考えだ。

真名の廃止検討

 この委員会は、学識経験者や市幹部職員ら9人で構成。同市の市営住宅について、施策のあり方や管理運営などに関する事項を審議するため、発足した。委員長に選任された豊田正斗副市長は「委員の皆さんの意見を聴きながら、施策の充実・強化を図っていきたい」と意気込みを語った。

 同市の市営住宅は▽八丁寺▽真名▽八幡原▽長谷▽上茂原▽上茂原西▽新町保▽東茂原▽山崎──の9カ所。全戸数は675戸となっている。

 市営住宅長寿命化計画では、老朽化が進むとともにニーズの低い住宅は用途廃止するとした。継続して利用する住宅は改善する方向性が示されている。

 7住宅227戸については、継続的に入居を募集する。このうち、八幡原、長谷、上茂原、上茂原西、新町保、東茂原の6カ所は、長寿命化計画により改善する方針だ。

 今年度、社会資本整備総合交付金を活用し、長谷住宅の2・3号棟で改善工事、上茂原西住宅の1号棟で設計にそれぞれ着手する予定だ。

 このほか、山崎住宅については、県からの移管時に改善工事が実施済みとなっているため、維持管理する住宅と位置付けられている。

 八丁寺住宅149戸と真名住宅の299戸については、老朽化が著しく、入居率が低いため、新規入居の募集はせず、政策的に空家としている。いずれも長寿命化計画で用途廃止に位置付けられており、敷地面積は順に約2万3500平方m、約5万6000平方mとなっている。

 このうち真名住宅は、敷地面積が広大で、借地が約6割を占める。解体や造成を市で行う場合、莫大な費用がかかるなど、さまざまな課題があるため、どのような方針で用途廃止を行うべきか検討を重ねる必要があるという。

 委員会では今年度、家賃補助制度や保証会社の導入、真名住宅の用途廃止に伴う跡地取り扱いなどの検討を進めていく予定だ。

茂原市営住宅の現状(5月31日現在)

建設年度 戸数 入居戸数 空家数
八丁寺 1967~71 149 53 96
真名 1970~75 299 23 276
八幡原 1976、77 24 19 5
長谷 1978~80 36 22 14
上茂原 1981、82 24 16 8
上茂原西 1984~87 52 26 26
新町保 1989 12 11 1
東茂原 1990~92 56 52 4
山崎 1969 23 23 0
合計 675 245 430

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