浄化センター機械設備復旧 地震被害額を予算化(宮城県 6月補正予算案)
[2021/6/9 宮城版]
宮城県は6月8日、宮城県議会6月定例会に提出する議案の内容を発表した。予算議案では2月、3月に発生した地震の災害復旧費を盛り込み、一般会計と公営企業会計を計6億2882万円増額する方針。被災した仙塩浄化センター(多賀城市)の機械設備などを復旧する。条例外議案では、水道3事業の官民連携運営について、運営権を設定する議案を提出する。
予算議案は県議会6月定例会初日の6月15日に提出する。
一般会計補正予算案(第5号)は3億3182万円を追加し、総額を1兆1298億0172万円とする。一般会計における投資的経費のうち、今回は普通建設事業費を増額しない。その代わり、災害復旧事業費を1億1963万円増額する。
公営企業会計は、流域下水道事業会計のみ補正予算案を編成した。企業局が所管する下水道施設の復旧費として、2億9700万円を増額する。
一般会計と特別会計、公営企業会計などを合わせた総予算額を、前年同期比で7.5%減となる1兆5797億8050万円とする。
流域下水道事業会計に計上した災害復旧費は、仙塩浄化センターと大和浄化センター(大和町)の機械設備の復旧費に充てる。増額する2億9700万円のうち、2億8600万円は仙塩浄化センター分。激震で破損した汚泥焼却施設を復旧する。大和浄化センターでは水処理施設に係る機械設備を復旧する。
地震被害における教育庁の所管額は8153万円に上る。このうち5906万円は、県立高校21校分の災害復旧に充てる。外壁の一部崩落やガラスの破損、落下した天井パネルの復旧などを実施する予定だ。また、2246万円は県図書館と県美術館の災害復旧に充て、壁面のクラック補修などを行う。
地震の災害復旧では、市町村の災害復旧費を助成する。卸売市場施設の災害復旧では、塩釜市魚市場の復旧と仙台中央卸売市場の復旧について、計7470万円を塩釜市と仙台市に助成する。林道施設の災害復旧では、路面に亀裂が生じた丸森町内の林道復旧には、3500万円を計上。丸森町に助成する。
宮城県は2月、3月に発生した地震の災害復旧費について、2020年度3月補正予算以降、一般会計に約104億6000万円を計上している。