研究所を再編整備 種苗生産 基本設計に着手(県農林水産部)

[2021/6/9 千葉版]

種苗生産・研究拠点に再構築する富津生産開発室

種苗生産・研究拠点に再構築する富津生産開発室

 県農林水産部は、種苗生産研究所の再編整備に乗り出す。「千葉県水産総合研究センター施設の再編整備計画」などを踏まえ、富津生産開発室を海産魚類種苗生産・研究拠点として再構築するため、財政状況も踏まえて施設整備の方向性を検討していく。基本設計業務の委託先を選定する指名競争入札の手続きを進めており、25日に開札する。

 種苗生産施設の再編整備に向けた基礎調査を海洋エンジニアリング(東京都台東区)に委託。対象となる▽種苗生産研究所・富津生産開発室(富津市)▽種苗生産研究所・勝浦生産開発室(勝浦市)▽県水産振興公社・白浜事業所(南房総市)──の3カ所について、現況や施設の稼働状況などを調べ、概算事業費を算出している。

 再整備計画や基礎調査を踏まえ、富津生産開発室に、勝浦生産開発室のマダイ種苗生産機能を移転するため、富津生産開発室の敷地内に施設を整備する方針。併せて、既存の管理棟や種苗生産施設について、機能が維持できるよう必要な修繕を施す。

 勝浦生産開発室は、種苗中間育成拠点に再構築するため、大規模改修など長寿命化対策を講じる計画。管理棟は必要な機能を敷地内の他施設に移転したのち、廃止する方向で検討している。

 件名は「水産総合研究センター再編整備種苗生産研究所基本設計業務委託」。同業務では、富津生産開発室と勝浦生産開発室の再構築に向け、財政状況なども考慮して整備手法などの検討を進めていく。履行期限は22年2月28日まで。

 19年3月に策定した「千葉県水産総合研究センター施設の再編整備計画」では、種苗生産業務の集約化に合わせ、施設の再編整備を進めていく方向性が示されている。施設が比較的新しく、十分な給水能力があり、施設の増設が可能な敷地を持つ富津生産開発室を海産魚類種苗生産・研究の拠点として位置付けている。

 富津生産開発室の所在地は富津市小久保2568-38。施設は、管理棟(RC造2階建て延べ836平方m)や魚類飼育棟(S造平屋1306平方m)、親魚産卵ふ化飼育棟(S造平屋1155平方m)、クロダイ・ガザミ棟(S造平屋1532平方m)、餌料培養作業棟(SRC造平屋1358平方m)のほか、クロレラ培養水槽や取水施設、ろ過施設などで構成。

 勝浦生産開発室の所在地は勝浦市浜勝浦178-17。主要な施設は、管理棟(RC造2階建て延べ639平方m)、マダイ・アユ棟(S造平屋1791平方m)、ヒラメ棟(S造平屋2048平方m)、稚魚養成棟(S造延べ413平方m)、親魚棟(S造延べ120平方m)のほか、クロレラ培養槽や取水施設、高架貯水槽、ろ過施設など。

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