導入機能を検討 市庁舎の強靭化対策(市原市)
[2021/5/28 千葉版]
市原市庁舎強靭化対策検討委員会(委員長・鮎川二郎千葉商科大学名誉教授)の第7回会合が27日、市役所で開かれた。基本計画策定に向けた取り組みについて協議し、導入機能を検討している状況などが報告された。今後、規模や整備時期、整備手法の検討を本格化する。基本計画策定支援業務は山下設計・三菱総合研究所共同企業体が担当している。
同市は2020年に「庁舎等の将来的な整備方針」を決定。市役所庁舎敷地内に第2庁舎やエネルギーセンター、議会厚生棟、新議会棟を建て替えることにより、耐震性能不足と老朽化の対策を進めていく方向性のほか、将来的な庁舎像を示した。基本方針策定支援業務は千都建築設計事務所(千葉市美浜区)が担当した。
基本計画では、将来的な庁舎像を実現するため、[1]市民の利便性[2]執務空間の合理性[3]市原らしさ[4]防災[5]環境・経済性──の5つの視点を設定し、課題を抽出した。
アンケートや市民ワークショップ、庁内ワーキンググループ会議での意見を踏まえ、課題解決に向けた目指すべき庁舎機能のあり方を5つの視点ごとにまとめ、導入を検討する機能を整理している。
導入機能としては▽気軽に立ち寄り集い交流できる場づくり▽開かれた議会づくり▽オープンな執務空間▽市民活動を支える市民交流スペース▽耐震安全性の確保▽自然エネルギーの活用──などを検討している。
今年度は、公共資産マネジメントとの整合性を踏まえ、適切な整備規模や整備時期を検討するとともに、事業費の縮減や民間ノウハウの活用など、効果的な整備手法についても検討していく。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、社会経済情勢や市民ニーズが大きく変化していることから、アフターコロナの社会を見据えた、新たな視点を加え、基本計画をとりまとめる方針だ。
対象施設の規模は、第2庁舎がSRC造地下2階地上10階建て延べ1万8826平方m、エネルギーセンターがRC造地下1階一部地下中2階建て延べ763平方m、議会厚生棟がRC造4階建て延べ3745平方m、新議会棟がRC造2階建て延べ1098平方mとなっている。