陸上競技場の新設へ 6月補正に基本構想費 策定業務を8月めど委託(宮城県石巻市)

[2021/5/22 宮城版]
 石巻市教育委員会は20日、市陸上競技場の整備を推進する議員連盟役員会で、陸上場競技場の建設に向けた基礎調査支援業務の成果内容を報告した。第3種公認競技場として整備する場合、概算の設計費が約6600万円、工事費が約22億円になることなどを紹介。市教委の佐藤由美事務局長は、6月補正予算案に建設の基本構想策定支援業務委託費を計上する考えを示し、「ぜひ議員と一緒に陸上競技場はどのようなものがよいか考えていきたい」と述べた。

 陸上競技場は、セイホクパーク石巻(市総合運動公園)に新設することを構想。昨年度は基礎調査支援業務を昭和(東北支社・仙台市宮城野区)に委託し、想定される導入機能や施設規模、概算工事費、事業スケジュールなどを検討した。20日の同役員会ではその成果を市議に説明した。

 導入機能は、1000人収容のメインスタンド、5000人収容の芝生スタンド、日除け、全天候フィールド、芝舗装、夜間照明(公園灯)などを想定。施設規模は、敷地面積を3haとし、メインスタンドに2500平方m、芝生スタンドに5500平方m、トラックフィールドに約1万7000平方m、芝生フィールドに約7000平方mを設定した。

 概算工事費は、メインスタンドがRC造で6億2250万円、芝生スタンドが6億8475万円、日除けが膜屋根で1億8000万円、全天候フィールドが5億1000万円、芝舗装が1400万円、夜間照明が650万円で、消費税を含め計22億1952万5000円を試算した。

 ただし、付帯施設として室内走路、管理棟、合宿所、駐車場などの整備も視野に入れており、仮にこれらや敷地造成費を加えれば工事費がさらにふくらむ。

 事業スケジュールのイメージでは、従来の公共調達手法の場合、基本構想策定後に基本計画~実施設計~工事契約でおおむね3~4年後に工事着手となる見込み。通常のPFI事業を導入する場合、基本計画を策定した後、導入可能性調査を実施し、民間事業者を募集するため、事業契約締結までおおむね4~5年かかると予想。このほか、導入可能性調査と基本計画を同時に実施することで時期の短縮が図れるとした。

 事業費は社会資本整備総合交付金を活用する考え。本年度は、来月開会の市議会6月定例会で補正予算が成立すれば、8月ごろに基本構想策定支援業務を委託し、年度内の構想策定を目指す。委託費は800万円弱になる見込み。場合によっては基礎調査支援業務を担当した昭和に随意契約で委託する可能性がある。来年度はPFI可能性調査業務を委託する見通し。

 20日の同連盟会に出席した議員からは「サブグラウンドをどこに整備するのか」という質問や、トラックは「8レーンではなく9レーンが必要」という意見が出された。市教委体育振興課は、セイホクパーク石巻内にある「(既存の)ふれあいグラウンドをサブグラウンドとして整備することが現実的」と説明。レーン数については、8レーンと9レーンにした場合の整備費などを比較していないため、検討が必要と答えた。

 石巻圏域には公認の競技場がなく、学校の中体連などは利府町や仙台市の競技場まで移動して開催している状況にある。佐藤事務局長は教委として「子どもたちに不便をきたしているため、陸上競技場はやはり必要」との認識を示した。

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