4校の大規模改修盛る 学校施設の長寿命化計画(宮城県塩釜市)

[2021/5/18 宮城版]
 塩釜市は、学校施設の長寿命化計画を策定した。築年数の古い順に改修の優先度を分類し、第1期計画(2021~30年度)に4校を盛り込んだ(別表参照)。いずれも校舎の大規模改修事業などを実施する。校舎は棟別に改修する場合を想定し、工事期間を2~3カ年を見込む。今後は、第二中学校で劣化度調査を実施し、国庫補助を申請する。躯体の健全性が低い場合は建て替えも検討する。

 市は、公共施設等管理総合計画に基づき、学校の長寿命化計画を策定した。施設は小学校6校、中学校4校、離島浦戸地区に小中学校1校の計11施設を管理する。校舎や体育館など施設全体の延べ床面積約7万3295平方mに対し、築30年以上は約94%、約6万9000平方mを占めている。

 このため、計画的に施設を改修し教育環境の質の改善や維持・更新工事費の平準化に取り組む。維持工事費は年間約6億6000万円を試算し、従来事業費の約27%縮減を目指す。目標使用年数はおおむね80年に設定し、構造躯体の健全度を評価して事業を実施する。

 優先度は築年数順に区分した。第1期計画には築年数が40~50年程度で大規模改造事業を実施していない4校▽第二中▽玉川中▽杉の入小▽第二小──をグルー1に選定し、実施計画に盛り込んだ。校舎は棟別に工事を実施する場合を想定し劣化度調査を踏まえ、工事範囲や実施時期を検討する。

 グループ2は、築後40年以上で大規模改造事業などを実施済みの6校で、グループ1の完了後に中規模修繕か改築工事を実施する。玉川小は築61年で最も古く延命化が難しため、将来的に解体を検討する。グループ3の浦戸小中学校(築33年)は維持管理・予防保全を実施する。同計画の策定と調査業務は協和コンサルタンツ(東北支社・仙台市青葉区)が担当した。

■長寿命化の実施計画(21~30年度)
学校名
(建築年)
施設概要 設計 校舎工事 体育館工事
第二中学校(1973年築) [校舎]RC造4階[体育館]S造総延べ床7569㎡ 21年度 22~24年度 24~25年度
玉川中学校(1959年築) [校舎]RC造3階[体育館]S造総延べ床7922㎡ 25年度 25~27年度 27~28年度
杉の入小学校(1978年築) [校舎]RC造4階[体育館]S造総延べ床6885㎡ 26年度 26~27年度 27~28年度
第二小学校(1968年) [校舎]RC造4階建[体育館]S造総延べ床96113㎡ 28年度 28~29年度 29~30年度

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