靭性向上型を検討 市庁舎の耐震補強工(銚子市)

[2021/5/15 千葉版]

安全性の確保が課題の市庁舎

安全性の確保が課題の市庁舎

 銚子市は、耐震性の不足が指摘されている市庁舎について、靭性(じんせい)向上型の補強工事を検討している。庁舎建替など、主要公共施設全体の配置について基本方針を定めるには、多岐にわたる議論が必要で、時間を要することから、応急的な補強工事により庁舎の安全性を確保する。補強工法に関する調査結果などを踏まえ、最終的に判断する方針だ。

 市内にある特定建築物のうち、市庁舎と青少年文化会館は、耐震性不足が明らかになるなど、安全性の確保が課題となっている。文化会館の長寿命化には、多額の費用がかかることから、市では、市庁舎など他の公共施設のあり方や複合化も含めて、整備の優先順位を検討することが必要と判断。昨年度年の当初予算では、主要公共施設適正化基本方針策定委託料を確保した。

 だが、主要公共施設全体の配置検討には時間を要することから、基本方針の策定に先立って、「市庁舎倒壊防止策作成支援業務」を構造品質保証研究所(東京都港区)に委託。柱に鋼板などを巻いて強度を高める靭性向上型補強工事の有効性について検証、概算工事費を算出した。

 市庁舎は高層棟(中央棟)、議会棟、低層棟(東棟)の3棟で構成。2011年に、災害拠点となることを想定、目標Is値を建築基準法に定める最低基準値0.6の1.25倍にあたる0.75に設定して耐震診断調査を実施した結果、全ての階で目標値を下回っている。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.