県減災協に流域治水部会 4流域ごとに施策具体化へ
[2021/04/28 栃木版]
県管理河川の流域治水対策が、今年度から本格的に始まりそうだ。直轄河川事務所が管理する利根川上流、渡良瀬川、鬼怒川・小貝川、那珂川・久慈川の4流域ごとに設置されている県減災対策協議会に(仮称)流域治水部会の設置を検討しており、早ければ5月下旬にも開く同協議会で新設の承認を求める考え。国は各事務所ごとに流域治水協議会を設置し、近年頻発する激甚な水害や気候変動による今後の降雨量の増大、水害の激甚化・頻発化に備え、集水域から氾濫域にわたる流域全体の関係者が協働して水害を軽減させる「流域治水」を計画的に推進するため、今年3月に施策を盛り込んだプロジェクトを公表している。 =2面に田城均県土整備部長インタービュー掲載
県減災対策協議会のメンバーは、4流域の沿川自治体の首長で構成する。県河川課によると、同部会も構成員は同じとし、オブザーバーには国の直轄事務所が参加。減災対策協議会が洪水時等における「逃げ遅れゼロ」を目指し、水位計の設置やスマートフォンによる情報提供などソフト対策に特化しているのに対し、流域治水は河川等整備をより一層、加速させるとともに、集水域から氾濫域にわたる流域に関わる水害対策を流域全体で行う考え方とした。
県は、河川整備計画等に基づく改修や堤防強化、上流域における森林整備や砂防施設の整備などを行い、これらの整備に合わせ、沿川自治体は雨水貯留施設や排水施設等下水道の整備、田んぼダムや防災調整池など具体的な流出抑制策等を検討していくもの。対策の柱は[1]氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策[2]被害対策を減少させるための対策[3]被害の減少・早期復旧・復興のための対策-3項目。
同部会が検討する県版の流域治水対策への取組みは、国のプロジェクトで不足する施策や、きめ細かな対応を行い、流域全員で水害対策を軽減していくとしている。
同部会での検討に先立ち県河川課には、治水幹事会、庁内検討会を立ち上げ、たたき台を作成。今年度は渇水期を見据え、具体的な施策を盛り込んだ県版のプロジェクトの作成を目指すとした。