【国道4号仙台拡幅】卸町~苦竹は24年度開通 道路強靭化で5カ年対策(東北整備局)
[2021/4/28 宮城版]
東北地方整備局は防災・減災、国土強靭化に向け、道路の5カ年対策プログラム(東北ブロック版)を策定した。今後5カ年の目標を示し、重点的かつ集中的に取り組む。県内では新たに、国道4号仙台拡幅の箱堤交差点立体化(仙台市若林区卸町~宮城野区苦竹)が2024年度に開通する見通しを示したほか、国道4号の白石地区と大崎地区で機能強化に向けた調査を推進することを盛り込んだ。
防災・減災、国土強靭化の推進に向けては、政府が昨年12月に「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」を閣議決定し、21~25年度の5年間で追加的に必要となる事業規模を15兆円程度とした。
これにより、道路事業も着実な整備が可能となり、計画や見通しを打ち出せるようになった。道路事業においては、同対策に位置付けられた目標や事業規模などを踏まえ、5カ年対策プログラムを策定し、高規格道路のミッシングリンクの解消や、暫定2車線区間の4車線化などを推進し、災害に強い国土幹線道路ネットワークを構築する。
東北での具体的な対策は▽災害に強い国土幹線道路ネットワークの機能強化対策▽道路施設の老朽化対策▽市街地等の緊急輸送道路における無電柱化対策──など7つの項目別に実施箇所を示した。
県内の主な対策を見ると、幹線道路ネットワークの機能強化では、今後5カ年の開通予定区間として国道4号仙台拡幅の箱堤立体交差化区間や、国道108号古川東バイパス(BP)の延長1.6km区間を提示。古川東BPは用地買収が順調に進んだ場合、25年度に全線開通する見通し。
県内ではこのほか、本年度の新規事業化箇所として仙台北部道路(利府しらかし台IC~富谷JCT)の4車線化などを示したほか、仙台駅周辺での交通拠点機能強化の必要性調査、仙台東道路の計画段階評価の推進、国道4号の白石地区と大崎地区における機能強化の具体化に向けた調査推進などを盛り込んだ。
仙台拡幅のうち、箱堤交差点の立体化は、対象延長が1.4kmで、高架橋の新設などを進める。高架橋は下部工に着手しており、今後に上部工や舗装工などを行う。
道路施設の老朽化対策では、県内で早期に対策を要する橋梁が1389橋、トンネルが73カ所あり、これまでに橋梁の814橋とトンネルの51カ所が修繕に着手済みであることなどを明示。無電柱化対策では、国道108号前田町地区電線共同溝(大崎市古川)として、総事業費に22億円を投じて延長1.4km区間を無電柱化することなどを示した。
村井嘉浩知事は同プログラムに関し、「過去に地吹雪や大雨等により通行止めが発生した東北自動車道に並行する一般国道4号白石地区および大崎地区において機能強化の具体化に向けた調査を推進することが記載されたことは大変喜ばしく思う」とコメントした。