市町20年度の公共事業 90%超は矢板など4市町 平均契約率は81.9%
[2021/4/24 栃木版]
県内市町の2020年度公共事業執行状況で、25市町の平均契約率は81.9%。90%を超えたのは順に、壬生町94.3%、矢板市93.2%、那須町93.1%の3市町で、上三川町は90.0%となった。学校施設等耐震化対策が一段落し、老朽化対策と合わせ空調設置やトイレ洋式化など施設改善・設備修繕に移行。繰越を含め東日本台風による災害復旧工事の発注はあるものの、各市町とも大型案件の上半期発注が少なく、年間を通じ発注時期の平準化が図られた格好だ。 =3面に市町別公共事業の執行状況表
90%以上の4市町を除き、平均を上回る85%以上は、市貝町が89.3%、野木町87.3%、佐野市86.0%、宇都宮市が85.7%で、これらに大田原や那須烏山、茂木など13市町が平均を上回った。
平均を下回ったものの、足利、栃木、日光、小山は80%台をキープ。最も契約率が低いのは芳賀町の60.9%、市は鹿沼62.9%で、LRT事業やJR鹿沼駅東の街路工事などが理由とされている。平均を下回ったのは12市町で、高根沢町の69.7%と60%台を除くと平均の81.9%は前年同期比2.2%増となっている。
一般的に上半期に発注するのは、大規模営繕等事業費が嵩み工期の長い工事が中心。下期は用地買収の完了した道路や下水道、農閑期を活用した水利施設等土木工事が中心とされ、90%以上の上三川町は、庁舎修繕が増加の要因。矢板市など他の3市町は土木等下期発注の工事が契約率の伸びに結びついた。
また、前年度と比べ契約率は平均で2.2%増で、14市町が上回り、11市町が下回っている。このうち前年度に比べ契約率が2桁増となったのは順に、野木町16.8%、矢板市16.0%、那須烏山市14.3%、塩谷町10.6%の4市町。
4市町とも秋口からの道路、上下水道など土木工事を主体とする発注が、2桁増加の要因としている。
25市町の予算計上額は、前年度に比べ111億2900万円増加し、契約額も137億4500万円の増となった。9市町の予算計上額が減少しているものの、16市町は増額計上。最も多いのは小山市の81億8500万円増で、新庁舎整備に重点配分、全体の増加額111億2900万円の約4分の3を占めた。次いで新庁舎に着工した鹿沼市が47億8100万円増、LRT整備の芳賀町28億4900万円増など。増額計上の市町は、契約額にも反映しており、16市町のうち半数を超える9市町が前年度に比べ契約額が増加している。