重点施策に浸水対策 21-25年度下水道事業中期計画(宮城県仙台市)

[2021/4/22 宮城版]
 仙台市は、下水道事業中期経営計画(2021~25年度)を策定した。重点施策に浸水対策や経営安定化など5項目を盛り込み、計画期間の建設改良費に約899億円(前期計画比7・4%減)を試算した。浸水対策は約179億円を投じ、5地区で雨水幹線や貯留管の新規整備を進めるほか、全庁部署連携による冠水箇所のスポット対策に取り組む。経営基盤強化では新たに管路の維持管理に包括的委託を導入する。

 同計画は、下水道マスタープランに基づく実施計画として策定した。公共下水道・農業集落排水施設など4種の事業を対象に18施策を盛り込んだ。建設改良費は復旧・復興事業の完了に伴い前期計画(16~20年度)を下回るが、復旧・復興を除いた建設改良費は106億円(13・3%増)増を見込む。

 年度別の内訳は、21年度約135億、22年度約188億円、23年度約223億円、24年度約195億円、25年度約158億円。重点政策はこれまでの取り組み状況と新たな課題を整理した。5項目は▽浸水対策▽地震対策▽再構築▽老朽化対策▽経営の安定化—-。

 主な施策別の事業費は浸水対策が約179億円、地震対策が約115億円、老朽対策は管路104億円、浄化センター・ポンプ場約102億円。浸水対策はリスクの高い5地区▽仙台駅西口地区▽仙台駅東口地区▽宮城野区福室地区▽同区日の出町1丁目地区▽同日の出町3丁目地区—を優先し、施設整備に着手する。

 計画策定の着手は、仙台駅東口地区が21年度着手、宮城野区日の出町3丁目地区が23年度を予定する。日の出町1丁目地区は先行事業で貯留管を新設し、ピーク時の雨を一時的に貯める。本年度設計でルートを決定し、22~23年度で工事を実施する。概算事業費は16~17億円を試算する。

 重点の再構築では、郡山ポンプ場の再構築計画を策定し、老朽化や地震・浸水対策の複合的な課題を総合的に解決する。経営の安定化では、管路施設の維持管理業務に、包括的業務委託を導入する。若林区役所で21~23年度に実施・検証を行い、24年度にほかの区での導入を検討する。

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