ポンプ場など耐水化 下水道施設 浸水対策を検討(市原市)
[2021/4/20 千葉版]
市原市は、下水道施設で耐水化計画の策定に着手する。河川の氾濫による浸水対策などを検討するもので、対象は終末処理場やポンプ場の8カ所。19日に委託先を選定する一般競争入札の手続きを開始しており、23日まで参加申請を受け付けている。
業務名は「市原市下水道施設耐水化計画策定業務委託」。この業務では、災害時においても一定の下水道機能を確保するため、水害による施設の対策浸水深を設定し、耐水化のためのハード・ソフト対策を立案する。
対象施設は表の通り。主な業務は▽基礎調査▽対策浸水深の設定▽浸水被害の想定▽対策方針の検討▽浸水対策の検討▽耐水化計画の策定──などとなっている。
具体的には、対象施設で下水処理上の重要度を検討し、対策の優先順位を設定する。ハード対策では、耐水化に向けて実現可能な対策を検討していく。防護壁や覆蓋、止水板や防水扉による防水化、設備の高所移転や耐水化など、効果的と考えられる対策を検討。施設や開口部別の対策内容について整理し、概算事業費を算出する。
これらの検討結果に基づき、対象外力や対象施設、対策浸水深、被害想定、対策方針、対策優先順位、ハード・ソフト対策などを盛り込んだ耐水化計画をとりまとめる。履行期間は240日間。
入札参加資格は、2020・21年度市入札参加資格者名簿(測量・コンサルタント部門)で土木関係建設コンサルタント(下水道)に登録があることのほか、業務実績などを求めている。
年度内に計画をとりまとめ、優先順位の高い施設から対策を進めていく。22年度にも実施設計に着手し、23年度の着工を目指す。
19年度の台風被害を教訓に、国は浸水リスクの高い下水道施設を対象に、対策浸水深や対策箇所の優先順位を明らかにした耐水化計画を策定し、順次、耐水化事業を進める方針を示している。
同市では、河川氾濫などの災害時でも一定の下水道機能を確保し、下水道施設被害による社会的影響を最小限にするため、被災時のリスクが高い下水道施設を対象に「耐水化計画」を策定し、その内容に沿って順次、耐水化を推進する方針だ。
◆浸水対策を検討する下水道施設
種別 | 施設名 | 施設の概要 | 対象災害 |
終末処理場 | 松ケ島終末処理場 | 位置:松ケ島西1-4 処理方式:標準活性汚泥法、凝集剤併用硝化促進型嫌気無酸素好気法 日量:(計画)47,800立方m(現有)53,200立方m |
河川氾濫 |
汚水中継ポンプ場 | 前川中継ポンプ場 | 位置:青柳3-1 分量:(計画)14.2立方m(現有)24立方m |
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若宮中継ポンプ場 | 位置:菊間481 分量:(計画)11.3立方m(現有)27.2立方m |
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雨水ポンプ場 | 松ケ島ポンプ場 | 位置:松ケ島西1-4 分量:(計画)2,138立方m(現有)1,856立方m |
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五井ポンプ場 | 位置:五井9029 分量:(計画)1,661立方m(現有)1,204立方m |
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今津ポンプ場 | 位置:姉崎917-2 分量:(計画)474立方m(現有)390立方m |
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岩崎ポンプ場 | 位置:岩崎2-18-7 分量:(計画)390立方m(現有)390立方m |
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牛久ポンプ場 | 位置:中433-5 分量:(計画)300立方m(現有)168立方m |