宇都宮市が21~23年度実施計画 投資的経費は760億円 浸水要因分析し雨水計画へ
(2021/04/20 栃木版)
宇都宮市は、2021~23年度の総合計画実施計画をまとめ、6施策体系で3カ年の投資的経費に760億円を試算した。東日本台風による浸水被害を受け、田川・姿川支川の整備に加え、浸水要因を分析し雨水基本計画の策定を本格化。LRTは宇都宮駅東の開業を見据え、同駅西側への導入に18億4400万円を試算した。新規では、LRT沿線の平出町トランジットセンター周辺地区に続き、清原地区のまちづくりに向けた調査・検討に着手する。
=4面に主要建設事業
施策の体系は[1]子育て・教育の未来都市の実現に向けて(子育て・教育・学習分野)[2]健康・福祉の未来都市の実現に向けて(健康・福祉・医療分野)[3]安全・安心の未来都市の実現に向けて(安心・協働・共生分野)[4]魅力創造・交流の未来都市の実現に向けて(魅力・交流・文化分野)[5]産業・環境の未来都市の実現に向けて(産業・環境分野)[6]交通の未来都市の実現に向けて(都市空間・交通分野)-6施策で構成。
教育環境の充実では、子どもの家等施設整備に3カ年で5億4200万円。学校施設は校舎・体育館の長寿命化対策など42億5200万円を投入する。
国体会場の施設整備は、清原体育館の改修等として4億2200万円を配分。継続の宮原運動公園の再整備に加え、宇都宮清原球場改修に向けた設計や北西部地区体育施設の検討と合わせ体育施設整備は52億1300万円となった。
医療環境の向上や障がい者支援では、AIやICT活用の促進を図るほか、介護サービス提供基盤・グループホーム設置促進に15億9700万円を計上。新規では、(仮称)共生型地域包括支援センター設置に向けた検討に乗り出す。また、SDGs未来都市への取組を加速させていくため、勉強会やイベントなど市民への理解啓発活動の強化とともに、実践支援事業を検討する。
東日本台風による田川や姿川に加え、両河川に流れ込む普通河川等の氾濫被害を受け、市街地の浸水対策のうち河川整備に53億9500万円を投入するほか、雨水幹線整備には30億8900万円。バックウォーター対策等水門更新設計、浸水要因分析と対策を検討するため、雨水整備基本計画の策定に向けた検討も具体化していく。
文化施設のうち文化会館は、第2期改修工事の実施を見据え、整備手法を調査。日本遺産に認定された大谷地区は、交通インフラの環境向上や拠点施設の整備に着手する。
LRTはネットワーク型コンパクトシティ実現に向けた東西地域を結ぶ効果的な公共交通システムとして工事を継続。軌道の敷設とともに、鬼怒川を渡河する橋梁工事や車両基地など3年間の事業費に258億5800万円。新駅とトランジットセンターが設置される平出町では、事業化支援や造成工事などとして10億2600万円を配分した。大谷街道(県道宇都宮今市線)をアクセス路に東北道のスマートICは、本線や周辺道路の工事などとして21億8000万円を投入する。
都市基盤を支える都市計画道路の整備に19億4600万円、道路の新設改良は40億1900万円、鬼怒橋補修等道路施設長寿命化には11億0800万円を計上した。
水道事業は、今市浄水場の更新に21億9500万円。下水道事業では、下河原・川田水再生センターの再構築に30億8000万円、川田水再生センターの強靭化等には4億4000万円を投入する。