矢板市 文化体育複合施設が設計 2900平方m15億円で22年度着工へ
[2021/0416 栃木版]
矢板市は、文化体育複合施設の整備を公設公営(公設民営)方式に決め、今年度に基本・実施設計をまとめ、2022年度から2カ年で工事を行う計画。整備基本計画によると、施設のゾーニングを中央のホワイエ(ロビー・通路)で区分し、可動式観覧席を備えた多機能ホールとアリーナに分割する。施設は2階建て延べ2900平方mで、概算工事費に15億円を試算した。市国体・スポーツ局によると、基本・実施設計を合わせて公募型プロポーザル方式で、早ければ今月中にも公告する見通しを示した。
複合施設の整備地は、とちぎフットボールセンター(末広町49-2)隣接地1.4ha。今年度は基本・実施設計とともに現地測量、地質調査、電波障害調査を実施する見通し。22~23年度に本体工事と合わせ駐車場整備、植栽等外構工事を行い、24年度当初の完成を目指す計画。駐車場には既存スペースと合わせ450台を試算している。
整備に当たっては内閣府の地方創生拠点整備交付金に採択され、整備費の2分の1が補助される。残り2分の1は充当率90%の起債が当てられ、うち30%の交付税措置があるとした。
採択の事業名は「未来技術を活用し、健康&スポーツの飛躍的レベルupを!文化体育施設を核としたコンパクトシティ形成プロジェクト」とし、事業期間は21~23年度の3年間。今年度の採択額は設計費3796万円。
事業概要は、従前からスポーツの大会や合宿誘致を進めてきた強みを生かして、不足している施設を補完するとともに、施設に最先端の設備を導入。大手通信メーカーとの連携により、行動認識AI等の未来技術として、ローカル5G環境や4Kカメラを同施設内に設置。更なる合宿の誘致やeスポーツ大会、ドローンレース等のイベントにつなげ、スポーツによるまちづくりを促進するとした。
市はスポーツツーリズムによるまちづくりを標ぼうし、これまで片岡体育館や城の湯温泉などの施設改修を実施。今回は新型コロナウイルス感染症や社会情勢の変革などに持続的に対応できるよう、デジタル技術と現実社会とが高度に融合したsociety5.0を目指すことを整備方針としている。
目標の要件は[1]人や環境にやさしい施設[2]市民の安全・安心を支える防災拠点として高い耐震性能と強く丈夫な施設[3]多彩な交流ができる地域の拠点となる施設[4]経済性とバランスを考慮した施設-4項目を挙げた。
整備方針では、中心市街地に整備するため、建物のボリューム・騒音・日照・電波障害などに配慮し、とちぎフットボールセンターと連携した施設とした。整備位置は、旧日本たばこ産業倉庫基礎杭を極力避けることに加え、フットボールセンターの排水を考慮して、現在使用していない敷地に整備する。
文化施設は、客席数500席程度(全体では1000人収容可能)、バスケットコート2面を確保するため、文化活動を行う多機能ホールとスポーツを行うアリーナを分割。文化とスポーツ活動が干渉せず、同時に使用できるフロア構成をゾーニングの前提条件としている。
1階はバスケットボールコート2面を多機能ホールとアリーナに分け、その間にロビーと通路、トイレや更衣室など。2階には会議室・研修室、トレーニング室の設置を想定している。
現在の文化会館は、令和元年東日本台風で東側を流れる一級河川内川が氾濫し水没。市は体育館またはスポーツツーリズムを展開する施設として複合施設の整備を計画したもの。内川右岸は、県調査の洪水浸水想定区域に指定されているため、整備地を浸水の危険性がない、フットボールセンター隣接地に決めた。