陸上競技場に約23億円 付帯設備を含まず試算(宮城県石巻市教委)
[2021/4/15 宮城版]
石巻市教育委員会は、セイホクパーク石巻(市総合運動公園)内に新設を構想している陸上競技場について、昨年度に基礎調査を実施した結果、概算工事費が約23億円になることを明らかにした。これはあくまで陸上競技場のみの整備費で、合宿所や駐車場などの付帯設備関係は含まれていない。月内に行われる市長選を経て、市として実際に陸上競技場を整備するかどうかを判断する見通し。
石巻市教委では、第3種公認競技場の整備を目指している。昨年度は基礎調査支援業務を昭和(東北支社・仙台市宮城野区)に委託。立地条件や環境特性を整理し、施設の必要規模などを検討するとともに、概算工事費を算出して3月までに業務成果をまとめた。
基礎調査の結果、1000人収容のメインスタンド、5000人収容の芝生スタンド、全天候型のフィールド、芝舗装、夜間照明を整備した場合の概算工事費が22億~23億円程度になることが分かった。全天候型では、メインスタンドのみに日よけを設置することを想定。芝舗装はスタンド内を対象とする。
陸上競技場の敷地面積は約3万平方mを確保しており、メインスタンドに2500平方m、芝生のバックスタンドに5500平方m、フィールドトラックに1万7000平方m、芝生のフィールドに7000平方mを見込んでいる。
付帯設備としては、室内走路、管理棟、合宿所、駐車場などを考えているものの、これらは実際にどの程度まで必要とするか方針が定まっていないため、施設規模や整備費を具体化していない。
開成地区のセイホクパーク石巻には「ふれあいグラウンド」が設けられており、こちらを陸上競技場のサブグラウンドとする可能性もある。その際は、既存グラウンドの外周が土になっているため、改修して全天候型にすることなども考えられる。
いずれにしろ、今後に基本方針を定めることになる。市教委としては、新たに決まる市長が陸上競技場の新設に対してゴーサインを出せば、年度内に事業認可支援業務の委託費を補正予算で確保し、同業務を委託する。施設の整備・運営に当たってはPFIも視野に入れているため、来年度にはPFI導入可能性調査業務を委託する見込み。
市が2009年3月に策定した「石巻市総合運動公園基本計画」では、セイホクパーク石巻の一角に第4種陸上競技場を整備することになっているが、大震災を経て周辺環境が大きく変化し、女川町にあった陸上競技場も姿を変えたため、市教委では新たに第3種陸上競技場の整備が必要と考えている。
昨年12月に開かれた「石巻市陸上競技場の整備を推進する議員連盟役員会」では、同会に所属する市議から9レーンのトラックや投てき練習場、ナイター照明、合宿施設、屋内練習場、倉庫、駐車場などが必要という声が上がっていた。
この時に市教委は、陸上競技場の事業費として国土交通省の社会資本整備総合交付金を活用する考えを提示。補助事業枠の都合上、新規事業化が2024年度以降になる見通しを示したところ、市議からは24年度までに基本計画や実施計画までもっていきたいという意見が出された。