従来方式で15.5億円 2500食規模 新共同調理場(富津市)

[2021/4/14 千葉版]
 富津市は、新たな学校給食共同調理場の整備基本計画を明らかにした。老朽化した調理場3カ所を1カ所に集約し、1日当たり最大2500食規模の共同調理場を新築する計画。従来方式を採用し、工事費は15億5895万円を概算している。秋ごろに基本・実施設計を委託し、2023年度の本体工事着工を目指す。

 今年度予算では、学校給食共同調理場整備事業で1613万円を計上するとともに、21~22年度に総額2622万円の継続費を設定。基本・実施設計に着手するほか、測量や地質調査を進めていく。

 この基本計画は、20年1月に策定した「富津市学校給食共同調理場整備基本構想」を踏まえ、市教育委員会がとりまとめた。施設の基本的な考え方をみると、今後の児童生徒数の推移から、調理能力は1日当たり最大2500食とする。現行の学校給食衛生管理基準に対応する調理場を整備するには従来の調理場に比べて必然的に多くの面積が必要になることから、施設規模は延べ1700平方m程度を想定している。

 ガスを中心として、機器の配置や使い方などに応じたベストな熱源を選択する。コージェネレーションのようなエネルギー効率を高める設備の導入を検討し、光熱費の節約を図っていく。

 建設予定地は、基本構想で選定した候補地3カ所の中で最も評価が高かった「市役所本庁舎北側市有地の一部」とする。面積は市有地約1万2000平方mのうち、5000平方m程度を想定し、建ぺい率60%、容積率200%。建物を建設するには敷地造成が必要となっている。

 既存施設の老朽化が進んでいることや衛生的な施設の必要性を踏まえ、できる限り早期の施設整備を目指す。新調理場供用開始後の現調理場は、老朽化が著しく、ほかの用途に変更して使用することが難しいため、検討が必要だ。

 予定スケジュールをみると、今年度に基本・実施設計や用地測量、地質調査に着手し、22年度から造成設計や造成工事を進めていく。23年度の本体工事着工、25年度の供用開始を目指す。

 概算工事費は15億5895万円。その内訳は、建設工事費(建築費用、厨房機器備品、事務用備品)が13億8162万円、敷地整備費(用地測量、地質調査、造成設計、造成工事)が2233万円、給排水施設整備費が1億5500万円。

 事業方式は[1]従来方式[2]PFI方式[3]リース方式──を比較検討した結果、「従来方式が最適」との結果が出されている。

 既存の施設規模は、大貫共同調理場がRC造平屋585平方m(1985年竣工)、天羽共同調理場がRC造平屋540平方m(77年竣工)、青堀小学校調理場がS造平屋232平方m(80年竣工)。

 調理場の形態は全てウエット方式。20年5月1日現在の調理食数は、大貫共同調理場が1692食、天羽共同調理場が385食、青堀小学校調理場が719食となっている。

 同市の2共同調理場と1単独調理場は、それぞれ建築してから30年以上が経過し老朽化が著しい。さらに、調理に使用する設備や器具は耐用年数が経過した物が多く、建物と併せて老朽化が進んでおり、修繕を繰り返し行い維持している状況だ。いずれの調理場も衛生面や安全面で多くの課題を抱えているため、早期の対応が急務となっている。

事業スケジュール

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