週休2日指定型を拡大 土木と地質/遠隔臨場が標準化(東北整備局)
[2021/4/13 宮城版]
東北地方整備局は、働き方改革を推進するため、週休2日工事や遠隔臨場により一層力を入れる。週休2日工事は、維持工事や緊急性を要する工事、発注後に施工時間・方法に制約が予想される工事以外は、基本的に今月から全て発注者指定型とする。河川の維持工事などには発注者指定型の週休2日交替制モデル工事を適用する。遠隔臨場に関しては、港湾空港関係を除く全ての土木工事と地質・土質調査業務を対象に、発注当初から標準的に実施する。
国土交通省の基本方針では、2024年から建設業にも時間外労働規制が適用されることを踏まえ、21年度から全ての工事を対象に発注者指定型による週休2日工事の発注を原則としている。ただし、現場条件等で難しい場合は、受注者希望型が可能となる。現場閉所が困難な工事は、週休2日交替制モデル工事による発注とする。
これを踏まえ、東北地方整備局では、全ての本官工事と、分任官工事のうち新設の鋼橋架設工やPC橋工、舗装工、河川工、海岸工、道路改良工、区画線工などを基本的に発注者指定型とする。河川維持工事や緊急性が高く休日に作業が必要な工事などは、発注者指定型の週休2日交替制モデル工事を適用する。
工事発注後に施工時間・方法への新たな制約等が予想される道路維持工事や災害復旧工事、現道交通規制を伴う工事などは、受注者希望型の週休2日工事、または受注者希望型の週休2日交替制モデル工事で発注する。
週休2日工事に対しては、積算で補正係数が適用される。発注者指定型の場合、当初予定価格より4週8休の補正係数を乗じて計上し、提出書類で4週8休に満たない場合は補正係数を減額変更。工事成績は4週8休を達成すると加点されるが、未達成だと減点になる。
受注者希望型の場合は、当初予定価格より4週8休の補正係数を乗じて計上し、提出書類で4週8休に満たない場合はその達成状況に応じて補正係数を減額変更する。工事成績は達成の場合に加点され、未達成だと減点も評価もしない。
発注者指定型の週休2日工事ではこのほか、概略工程表を入札公告時に参考資料として公表することにした。本官工事においては、概略工程表のほか、条件明示チェックリストも一緒に参考資料として開示する。工期の設定や開示する概略工程表は、原則として工期設定支援システムを活用することとなる。
遠隔臨場については、土木工事と、ボーリング調査を含む地質・土質調査業務を対象に標準化するが、支持地盤や土質変化位置の確認などにおいて画像での判断が難しい場合は、従来の臨場による立ち合いも可能とする。
遠隔臨場の実施方法は、ウェブ会議システムやASPを活用した遠隔臨場を標準とする。共有する画像はリアルタイムによる動画配信を基本とし、映像の記録は必要としない。通常の通信環境が整備されていない山間部などで遠隔臨場する場合は、その必要経費を別途補填する。
■ 週休2日工事に係る補正係数 |
(21年度) | 4週6休 | 4週7休 | 4週8休以上 |
労務費 | 1.01 | 1.03 | 1.05 |
機械経費(賃料) | 1.01 | 1.03 | 1.04 |
共通仮設費 | 1.02 | 1.03 | 1.04 |
現場管理費 | 1.03 | 1.04 | 1.06 |
■ 週休2日交代制モデル工事に係る補正係数 |
(21年度) | 4週6休 | 4週7休 | 4週8休以上 |
労務費 | 1.01 | 1.03 | 1.05 |
現場管理費 | 1.01 | 1.02 | 1.03 |