4地区で新規に農地整備 21年度は換地・測設計 柴田の富上地区など(宮城県大河原振興)

[2021/4/9 宮城版]
 県大河原地方振興事務所は、2021年度に管内4地区で農地整備事業(農業競争力強化)に新規着手する。対象は柴田町の富上地区、角田市の尾袋川東地区、川崎町の古関地区と小沢地区。各地区とも農地の大区画化・汎用化などを目指すもので、本年度はほ場整備に向けた測量設計や換地業務に取り掛かる予定。委託時期は下半期を見込む。いずれも着工は22年度以降となりそうだ。

 新規着手箇所の概要は別表の通り。各地区の既存農地は1区画当たり10a程度と狭いため、同事業で1ha(50a以上)の区画に広げ、道路や用水路なども合わせて整える。また将来的な転作なども考慮し、暗渠排水設備を整える計画だ。

 柴田町の富上地区は、五間堀川の左岸側に広がる水田地帯。道路などを含むほ場整備の計画面積は約105haで、このうち整地は約84haとなる。全体事業費は30億6500万円を見込む。基本計画は大江設計(仙台市青葉区)が担当した。

 同地区の整備計画では、道路が延長14.2kmとし、現道2~3mの幅員を基本全幅5mに広げる。用水路は延長15.9kmでベンチフリュームとパイプラインの2タイプ。揚水機場は2カ所整備し、パイプラインと接続する。排水路は排水フリュームを14.5kmにわたって設ける。暗渠排水は83.5haを対象に整備する予定だ。

 尾袋川東は、角田市の江尻エリアの尾袋川と阿武隈川に挟まれた水田地帯。計画面積は約95haとし、このうち整地が約79ha。整備計画は道路が12.6kmで全幅5mに拡幅。用水路が12.4km、揚水機場1カ所、排水路が8.4km、暗渠排水が73.8haを見込む。基本計画などの業務はサトー技建(仙台市若林区)がまとめた。

 川崎町の古関地区は、北川流域の中山間地域に当たるエリア。計画面積では約33haで、このうち整地は約25haを想定。10a程度の区画を50a以上となるよう整備する計画。道路は5.5km、用水路は開水路で4.9km、排水路は5.1km、暗渠排水は23.6haを予定する。小沢地区は古関地区に隣接する水田地帯。地区の計画面積は約19haで、このうち整地は約15haとなる。こちらもほ場整備で50a以上の確保を目指す。道路は2.6km、用水路が開水路で3.3km、排水路が2.2kmとし、暗渠排水が14.7haを想定している。

 4地区とも国の当初予算配分として、富上に4700万円、尾袋川東に4400万円、古関に1500万円、小沢に1000万円が決定。いずれも測量設計や換地業務に充てる。関連の法手続きを経ることから委託時期は下半期が想定される。各地区とも22年度以降の着工を目指す。

■県大河原地方振興事務所 農村整備事業の21年度着手地区
地区名 市町名 計画面積(うち、整地) 全体事業費 21年度
事業費
事業期間
(想定)
尾袋川東 角田市 95.3㏊ (78.9㏊) 23億3800万円 4400万円 21~29年度
富上 柴田町 105.4㏊ (84.1㏊) 30億6500万円 4700万円 21~29年度
古関 川崎町 32.8㏊ (24.8㏊) 11億1100万円 1500万円 21~26年度
小沢 川崎町 18.9㏊ (14.7㏊) 6億3500万円 1000万円 21~26年度

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