鬼怒に28億、小貝川19億円 田川合流部に水門新設 下館河川

[2021/04/09 栃木版]
 国交省下館河川事務所は、2021年度の事業概要を公表した。鬼怒川・小貝川改修に伴う全体事業費は対前年度比1.29%増の47億7800万円で、河川別内訳は鬼怒川28億0900万円、小貝川が19億6800万円となった。

 21年度は溢水箇所等において、引き続き堤防整備・樋管改築などを行うほか、バックウォーター対策として結城市の鬼怒川で田川との合流部に水門の新設工事に着手する。発注見通しでは、政府調達協定対象の一般競争入札を適用し、水門本体を第2、ゲート設備を第4四半期に発注するとした。

 鬼怒川支川田川の沿川では、浸水被害が過去に何度も発生。特に平成27年9月関東・東北豪雨では、床上・床下浸水を合わせ213戸の家屋が浸水する被害が発生した。茨城県が実施している田川の堤防整備と合わせ、結城市久保田地先の合流点に水門を整備。鬼怒川の水位上昇時における洪水安全度の向上を図るとした。

 本県における治水対策では、宇都宮市石井町地先の鬼怒川左岸で低水護岸工事を継続する。施工延長は約50m。澪筋が堤防に近接していることから、水衝部対策として河岸の浸食・洗掘防止を目的に、低水護岸を整備するもの。令和元年東日本台風では、河岸洗掘や護岸崩壊など8カ所で被災。工事は洪水時における河岸の浸食と洗掘を防止し、低水護岸を整備して堤防決壊のリスク軽減を図るとした。

 小貝川は、1986年の洪水による決壊で甚大な被害を受けたものの、現在も必要な堤防の高さや幅が不足している。このため、堤防のかさ上げや拡幅などによる河川改修を行い、治水安全度の向上を図るとした。21年度は、つくばみらい市上平柳と長渡呂地区で堤防整備を行う。加えて、取手市新川地先では老朽化が進んでいる古八間排水樋管の改築を行い、樋管部の堤防嵩上げと拡幅を合わせて実施する。

 維持管理では、堤防除草やゲート・ポンプなど河川管理施設の点検・整備を実施する。除草は川表・川裏法面を年3回、出水期前と出水期中に行う。また、河川管理施設の変状や水難事故、不法投棄を防止するため定期的な河川巡視を行う。

 堤防整備が完了した鬼怒川では、水辺へのアクセス拠点として「リバースポット」の整備を進めている。工事用道路等をサイクリングロードに活用する「かわまちづくり計画」も進行中とした。21年度は鬼怒川が結城市から守谷市、つくばみらい市にかけ延べ7市町で管理用通路とリバースポットの基盤整備として側帯整備を継続。小貝川では、リバースポットの基盤整備に着手する。

 予算科目別各河川の事業費は次の通り。(単位・万円)
▽河川改修費=鬼怒川17億、小貝川10億4400
▽河川維持修繕費=鬼怒川7億8100、小貝川8億9000
▽河川工作物関連応急対策事業費=鬼怒川4000
▽総合水系環境整備事業費=鬼怒川2億8800、小貝川3400

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