県21年度の治山事業 国庫治山56カ所に17.4億円 東日本台風加戸沢で谷止、宮山田は調査
[2021/04/07 栃木版]
県森林整備課は、2021年度に実施する主な治山事業箇所を公表した。森林整備を含む国庫補助と交付金事業は、日光市など9市3町の56カ所を対象に17億4939万円。県単事業は11市の32カ所で1億6500万円となった。東日本台風被害の復旧を図るため、加戸沢(鹿沼市)の全体計画を見直したほか、新規に関口(同)で山腹工、小拍子(佐野市)は谷止工に着手する。県単の宮山田(宇都宮市)は国庫導入のための計画調査、長寿命化対策ではウスン沢(矢板市)の流路工を修繕する。
国庫対象のうち新規は、上期に設計を委託、9月以降の工事発注を見込む。このうち東日本台風被害に伴う復旧や予防治山は、事業費ベースで1500万円以上に充当。具体的には、山口上手(佐野市)が単年度で1500平方㍍にわたり法枠工による山腹の安定を目指すほか、関口は23年度まで3年間で山腹基礎工0.43㌶を計画、事業費には1億6900万円を投入する。
加戸沢は全体で谷止8基を計画。20年度は最下流の1基を施工し、残る7基については25年度まで計画的に実施していく見通し。21年度も下流側の1基を予算付しており、全体事業費は2億5600万円。
東日本台風関連では、田保沢(足利市)が単年度で谷止2基、小拍子は事業費6100万円を投入し2カ年で谷止3基、応神沢(那珂川町)は単年度で谷止1基を施工する。赤滝(矢板市)も単年度で山腹工を実施する。
蛇籠(日光市)は23年度まで3年間で谷止5基を計画、21年度は最下流の1基を施工する。全体事業費は1億3700万円。小名目沢は16㌶を対象に本数調整伐による森林整備を実施するもの。
ウスン沢は経年劣化に伴う流路工250㍍(W6~8㍍)の修繕で、21年度が最終。水流による洗掘防止を実施するもので、破損した側壁はブロック積等で補強する。
県単事業は単年度施工を主体に32カ所を予算化した。測量設計は直営、設計が固まり次第工事発注を見込む。
主な箇所のうち栃原(鹿沼市)と新廟所(大田原市)は、山腹土留1基、シノヤマ(さくら市)は法面を安定させる植生工200平方㍍を実施する。黒尾前山(那須烏山市)は、水路工を計画しており、布製型枠170平方㍍を施工する。
宮山田は22年度国庫申請箇所の計画調査。東日本台風で山腹が崩壊しており、コンサルに委託し計画をまとめる予定。
主な事業箇所は次の通り。(▼は新規)
《国庫》
【復旧治山】
▼山口上手(佐野市)=山腹工
▽加戸沢(鹿沼市)=谷止工
▼関口(鹿沼市)=谷止工
▼蛇籠(日光市)=谷止工
▽塩の沢(大田原市)=山腹工
【保安林改良】
▼小名目沢(日光市)=森林整備
【予防治山】
▼田保沢(足利市)=谷止工
▼小拍子(佐野市)=谷止工
▽赤滝(矢板市)=山腹工
▼応神沢(那珂川町)=谷止工
《県単》
【県単治山】
▼宮山田(宇都宮市)=計画調査
▼栃原(鹿沼市)=山腹工
▼新廟所(大田原市)=山腹工
▼シノヤマ(さくら市)=山腹工
▼黒尾前山(那須烏山市)=山腹工