清掃工場を長寿命化 設備改良の仕様検討(柏市)

[2021/4/7 千葉版]
 柏市は、北部クリーンセンター(柏市清掃工場)の長寿命化に向け、第1期の長期責任委託事業の期間が満了することから、次期事業手法検討調査業務および事業者選定公募アドバイザリー業務を委託する。事業者は第1四半期に公募型プロポザールにより選定。履行期間は34カ月を見込んでいる。2021年度当初予算には、業務委託料として1330万円を計上。併せて、22~23年度の2カ年で、限度額4980万円の債務負担行為を設定している。

 北部クリーンセンター(船戸山高野538)は、1991年4月に稼働を始め、2008年に長期責任委託事業を導入。元施工の荏原環境プラント(東京都大田区)に、管理運営のほか、施設の修繕を委託している。期間は22年3月31日までの14カ年。

 市では、目標年度までの安定したごみ処理を継続するため、20年度に「北部クリーンセンター長寿命化総合計画」を策定。設備・装置の耐用状況を調査し、ライフサイクルコストなどを検討した結果、維持管理の方向性について、「長寿命化改修が優位」と結論づけた。

 また、昨年5月には、基幹的設備の改良工事の実施および工事完了から15年が経過する41年度末までの稼働期間延伸について、隣接町会などから同意を得ている。

 そこで、今後の安定的な処理体制を維持するため、長寿命化に向けた検討に着手。運営管理の事業方式や基幹的設備改良工事の仕様など検討することにした。市では、現行の長期責任委託事業を2年延長、事業者を選定することを想定している。

 北部クリーンセンターの形式は連続燃焼式流動床炉。1日当たりの処理能力は300t。延床面積は9831平方m。粗大ごみ処理施設は1977年の稼働開始から43年が経過、更新時期を迎えている。

 旧柏市地区におけるごみの焼却処理は、2004年度まで北部クリーンセンターで実施。その後、ごみ量の増加により、北部クリーンセンターでの処理が困難な状況が生じたため、南部クリーンセンター(柏市第二清掃工場)を建設。05年度から稼動を開始した。 

 南部クリーンセンターの運営管理委託事業は、日立造船のSPC会社「柏環境テクノロジー」が担当。運営期間は05年4月~25年3月。受注金額は約178億円(税込)。

 一方、旧沼南地区のごみ処理は、柏・白井・鎌ケ谷環境衛生組合「クリーンセンターしらさぎ」で実施している。

 市内のごみ処理について、柏市経営戦略方針では、沼南町との合併後、1市2制度、3清掃工場体制で処理が行われており、非効率な状態となっていると指摘。老朽化対策を含めた清掃工場体制のあり方を検討する方針を示している。

 市では、2清掃工場体制での処理が可能と判断。共同処理のあり方についての協議を鎌ケ谷市側に要請するなど、協議開始に向けた合意事項などの調整を進めている。

 北部クリーンセンター長寿命化総合計画策定業務は、20年度に環境技術研究所・千葉営業所(千葉市中央区)が担当した。

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