自然公園30施設に4.8億円 首都圏歩道計画検討へ 園地や歩道改修 県自然環境課

[2021/04/03 栃木版]
 県自然環境課は2日までに、2021年度に実施する自然公園等施設整備事業の概要をまとめた。補助営を含む全体事業費は、30施設で4億8547万円。国庫は日光国立公園内14施設の改修として3億9047万円を計上したほか、県単の自然公園等施設整備事業には16施設に9500万円で、歩道や園地改修などを進めていく。首都圏自然歩道は、標識の老朽化や多言語化の必要性を見極め、22年度から再開を視野に計画策定を検討するとした。

 県単の自然公園等施設整備事業は、日光国立公園や県立自然公園等を安全で快適に利用するため、歩道や園地、駐車場など主に木製構造物の自然公園施設を再整備する。工事箇所は、日光市など16施設に予算を配分した。

 県単のうち新規の中宮祠園地(日光市)は、華厳の滝観瀑台歩道脇の立入り防止柵の劣化箇所修繕と安全性確保が必要とされるエリアへの防止柵の延伸。益子県立公園(益子町)では、約20年が経過している木製展望塔の改修を継続するほか、歩道標識を改修する。八溝県民休養公園(那須烏山市)は、ガードレールを金属製に更新するとともに、木製の側溝蓋をコンクリート製に更新する。八方ヶ原線車道(矢板市)は、車道のU型側溝をL型に改修する。

 県補助による団体営では、栃木市が太平山の謙信平に設置されている展望台柵の改修を実施するほか、佐野市は唐沢山園地で丸太階段や標識を改修する。

 国庫交付金を充当した日光国立公園内施設整備は、継続の中禅寺湖周回線歩道千手ヶ浜園地で、トイレの増設とともに、環境に配慮した浄化槽システムのグレードアップを実施。当初予算では設計と工事費を配分した。

 新規では、中宮祠園地華厳の滝観瀑台を改修。設計を直営で行い、閑散期に工事を実施できるよう、発注時期を検討していく。

 継続の那須高原歩道(那須町)は、木橋(L60m)の上部工補修と標識2基の改修。雄飛の滝線歩道(那須塩原市)は、張出式で設置されている桟橋歩道40mを改修するもの。八方ヶ原県民の森線歩道(矢板市)は、展望機能を持たせた休憩施設の改修。補正で設計とベンチ改修工事に予算付けし、当初では四阿などを改修する計画。

 団体営では、那須塩原市が沼原園地の改修に着手する。

 首都圏自然歩道は、4カ年計画で実施してきた整備が20年度に完了。事業費2000万円以上で最低3カ年の計画に合致する再整備が22年度から必要かなど、東北自然歩道への接続路線等の劣化状況も見極め、所管の環境森林事務所や補助営を含めた市町とともに策定の必要性を検討していく。国庫交付金の補助率は40%。

 同課によると、県南地域の整備は一巡しており、実施するとなると県東や県北地域が主な対象となるとした。首都圏自然歩道は、県内387kmで36コースが設定され、日光市足尾町で群馬県、茂木町で茨城県、那須町で東北自然歩道の福島県と接続している。

 主な事業箇所と概要は次の通り。(▼は新規)

 《自然公園等施設整備事業・交付金》
【県営】
▽千手ヶ浜園地(日光市)=園地改修
▼中宮祠観瀑台園地(日光市)=園地改修
▽那須高原歩道(那須町)=歩道改修
▽雄飛の滝線歩道(那須塩原市)=歩道改修
▽八方ヶ原県民の森線歩道(矢板市)=歩道改修

 《自然公園等施設整備事業・県単林務》
【県営】
▼中宮祠観瀑台園地(日光市)=園地改修
▼八溝県民休養公園(那須烏山市)=標識補修
▼益子国民休養地(益子町)=標識補修
▼八方ヶ原線車道(矢板市)=道路改修
【団体営】
▼謙信平園地(栃木市)=園地改修 

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