県道路公社 3橋を設計、8橋に着工 日光道 2トンネルは補修設計
[2021/03/31 栃木版]
県道路公社は、2021年度予算と事業計画を公表した。建設関係は日光宇都宮道路(日光道)リニューアル事業に19億9900万円と重点配分し、日光IC橋など7橋の耐震補強・修繕に着工するほか、後年度の補強・修繕に備え3橋の設計費を計上した。鳴虫山と神主山トンネルは、空洞化対策後の漏水等を確認するため補修設計を発注する。宇都宮鹿沼道路(さつきロード)は、高架橋のジョイント1カ所の伸縮装置の更新を計画した。
日光道のうち工事を発注するのは、舟ヶ沢橋(L10m)が第2四半期。日光IC橋(L106.8m)、今市橋(L63.8m)、蛇沢橋(L19m)、天神前橋(L31m)、上町橋(L35m)、堀ノ内橋(L25m)の6橋は第3四半期を予定している。
舟ヶ沢橋は、神主山トンネル内のシェッド区間に架設。上部が単純RC中空床版、下部工は重力式橋台2基で支える。20年度に工事を予定していたものの、21年度に先送りした。工事の概要は伸縮装置の取替、防水・舗装修繕、壁式高欄の断面修復等を実施する計画。
日光IC橋は、IC料金所付近で日光道をオーバーパスしており、上部形式がRC2径間連続中空床版の3連構成。補修対策では伸縮装置の取替、ひび割れと断面欠損部補修、防水舗装、水平力分担構造等を予定しており、耐震補強に関しては現在検討中とした。
このほか対象橋梁の上部工は、今市橋がRC4径間連続中空床版、蛇沢橋はRC単純中空床版、天神前橋が鋼単純非合成鈑桁、上町橋と堀ノ内橋はPC単純合成桁。いずれも上面工を計画しており、伸縮継ぎ手の取替、橋面防水、舗装の打ち替えなどを実施する見通し。また、天神前橋と上町橋は下面工の実施も検討しており、ひび割れ補修、断面修復、落橋防止構造と支承の塗替えなどを計画した。
補修のため設計に着手するのは、中妻高架橋(上りL277.7m、下りL216m)、石那田橋(L43.9m)、徳次郎橋(L16.1m)。耐震補強を実施した中妻高架橋は、上りがPC9径間単純合成桁、下りはPC7径間単純合成桁。石那田橋は鋼単純合成版桁、徳次郎橋はPC単純T桁。設計は第2四半期の発注を見込んでいる。
日光道のトンネルは、81年度に開通した日光ICと清滝IC間にある神主山(L908m)、鳴虫山(L967m)の2カ所。これまでに空洞化対策や設備改善などを実施。21年度は空洞化対策を実施したため、降雨などによる水道が変わり、新たなひび割れ補修のための設計を第1四半期にも発注する。
設計委託ではこのほか、日光口PAのトイレ・売店等の浄化槽設備を更新するため、詳細設計を第1四半期に発注。浄化槽は下りに集約して埋設されている。
舗装は路肩折れ部分の優先度が高く、本線の轍掘れなどと比較し対策箇所を検討。情報板は清滝ICと日光ICの各1基を更新。標識は全線にわたり、色あせや反射板等不具合が見られる20~30カ所程度を更新する。
伝送装置は速度規制など道路情報等を制御するもので、対象は中継機器と通信ケーブルなど。日光~大沢間13.8kmが完了しており、21年度は大沢~宇都宮間11.7kmを施工する。
照明は、日光ICの10基程度を更新。機材庫はブロック造で、料金所の無い各ICに設置され、カラーコーンや遮断用バー等閉鎖用機材を格納。老朽化に伴い改修するもの。ネットフェンスは全線を対象に、道路と民地の間の不具合箇所の補修。横断防止柵は日光口PA下りで、土手を乗り越える車両の侵入防止を目的に設置するもの。
防草工は中央分離帯を対象に、大沢~日光間で実施。ETC中央装置はクレジット決済の中枢設備で、5年に一度の更新が義務付けられている。非常用電話は、上下線1km間隔で設置され、伝送ケーブル24基(12×2本)の更新。
気象観測設備は、大沢、土沢、清滝の3カ所に設置。気温と走行道路の路温、風向・風量、雨量などを観測するもので、機能を安定的に維持するため更新する。受配電設備は、更新の必要な徳次郎IC・今市IC・清滝ICと日光口PA4カ所を実施する。
鬼怒川道路では、補修工事の必要性を含め、古釜沢橋(L40m)の実施時期を検討。同橋は91年10月架設の鋼単純非合成鈑桁で、下部工が直接基礎逆T式橋台2基で構成する。
大半を高架橋形式で構成する宇都宮鹿沼道路は、継続で1カ所程度のジョイント補修を実施する見通し。