21年度に塩原、壬生、小山 延期の茂木町は6月 県自動運転
[2021/03/25 栃木版]
県無人自動運転移動サービス推進協議会(会長・阪田和哉宇都宮大学地域デザイン科学部准教授)が23日、オンラインによるWeb会議で開かれ、2023年度までに社会実験を実施する10カ所と追加候補3カ所を選定した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で延期した第1回茂木町の実験は、6月に実施する予定。
実験を実施する10カ所のうち中山間地域が、茂木町(道の駅もてぎ~茂木駅~ふみの森もてぎ)と那須町(黒田原駅周辺)。観光地は、那須塩原市(塩原温泉郷)、壬生町(道の駅みぶ)、宇都宮市(西川田駅~県総合運動公園)、日光市(奥日光低公害バス路線)。市街地では、小山市(小山駅~白鴎大学)、足利市(足利学校周辺)、下野市(自治医大駅~自治医大病院)、芳賀町(芳賀工業団地)とした
また、追加候補3カ所は、中山間地域として那須烏山市(大金駅~藤田地区)、観光地が栃木市(渡良瀬遊水地)、市街地は真岡市(真岡駅周辺)を挙げている。
ロードマップでは21年度に、塩原温泉郷、道の駅みぶ、小山駅~白鴎大学の3カ所を抽出。地元の熟度の高さや緊急性などとともに、比較的調整に時間を要しない箇所と判断したもの。
那須塩原市は塩原温泉郷を周遊する。市は19年にCO2排出量実質ゼロ宣言を行うなど、環境に配慮しグリーンスローモビリティを想定。温泉街の狭あいな道路幅員や駐車場不足など、紅葉シーズン等の自家用車による渋滞・混雑を緩和する観光施設等を周回する運行を担う。実施時期は9月~10月頃を想定した。
壬生町は、県道で分断された道の駅と町総合公園(わんぱく公園など)とのアクセス向上が目的。集客施設が集積する同エリアには、子どもから高齢者まで幅広い年代層が来訪し、高速道路利用者がわんぱく公園などに立ち寄れる新たな需要を想定した。実施時期は来年2月~3月頃とし、小型バスを想定している。
小山市のJR小山駅周辺は中型バスを使用し、11月~12月頃を想定した。同エリアでは白鴎大学がスクールバスを運行しているほか、市役所が21年度に完成し駅から市役所までのバス運行の要望もあり、市街地の周遊性向上を期待。城山公園の再整備が完了すると来訪者の増加が見込まれる一方で、高齢化等市営バスの運転手確保難など課題も挙げた。
22年度が那須町、宇都宮市、足利市の3カ所、23年度には日光市、下野市、芳賀町の3カ所を想定している。
6月に延期した茂木町の実証実験は、道の駅もてぎと真岡鐵道茂木駅、ふみの森もてぎを結ぶ約3.7kmの周回ルートで、1日5往復10便程度を運行する。期間は2週間程度で、実験にあたり運行ルートの域外に予告看板を設置する。自動運転を前提としているものの、踏切や3カ所の乗降施設では、安全性を考慮し手動運転に切り替える。感染症対策のため、運転手・オペレーター等を含む最大乗車人数は13人(事前予約制のモニター9人まで)に限定する。
運行車両は高精度3次元地図、GNSSやLiDARを用いた自動運転システムを搭載したマイクロバス。ラッピングは本県特産のイチゴを主体とし、町のキャラクター「ゆずも」などを取り入れたデザイン。
結果の検証に当たっては、「走行安全性」「社会受容性」「ビジネスモデル可能性」の観点で評価するとした。