3部門の公共事業費 土木部は436億円 21年度地区別調書(宮城県)
[2021/3/23 宮城版]
宮城県は3月22日、公共事業の地区別調書を発表した。2021年度予算が19日の宮城県議会で可決・成立したことを受け、土木部、農政部、水産林政部がそれぞれ所管する地区ごとの事業費を発表したもの。土木部の所管額は計436億0800万円。農政部は計264億6100万円、水産林政部は計35億1500万円を計上した。3部門とも前年度より事業費が減少した。
3部門のうち、土木部が所管する地区別調書記載の事業費は436億0800万円で、前年度より71.1%(1071億9100万円)の大幅な減少となった。内訳は、国庫補助事業分が255億1300万円、単独事業分が180億9500万円。東日本大震災関連の事業費の減少により、前年度の3分の1にまで規模が縮小した。
土木事務所管内ごとの事業費は▽大河原土木74億1100万円(補助62億0400万円+単独12億0700万円)▽仙台土木95億7600万円(補助69億7200万円+単独26億0400万円)▽北部土木47億3200万円(補助35億4600万円+単独11億8600万円)▽北部土木栗原21億3000万円(補助10億2600万円+単独11億0400万円)▽東部土木登米25億4800万円(補助17億4400万円+単独8億0400万円)▽東部土木19億4300万円(補助5億6400万円+単独13億7900万円)▽気仙沼土木11億2900万円(補助3億9100万円+単独7億3800万円)──となった。
これに加え、県全体で実施する施策の事業費は141億3900万円(補助50億6600万円+単独90億7300万円)となった。
7土木事務所管内の事業費は全て、前年度より減少している。中でも東部土木と気仙沼土木の管内は、前年度より90%以上減少した。東日本台風の災害復旧事業を多く抱えている大河原土木管内は、1.2%減とほぼ前年度並みの予算を確保した。
大河原土木管内では、阿武隈川流域で行っている砂防激甚災害対策特別緊急事業に、14億7000万円を計上。砂防堰堤や床固工などを建設する。雉子尾(きじお)川の局部改良事業には1億0500万円、丸森霊山線などの道路復旧に28億7800万円を計上した。
仙台土木管内では七北田川上流部の河川改修に向けて、2億8400万円の調査設計費を計上。太白区内を流れる旧笊(ざる)川の内水対策には、1億0500万円の調査設計費を計上した。また、名取市内に建設する川内沢ダムについては本体工事に着手することとし、付替道路の工事費と合わせて12億3300万円を計上した。
北部土木栗原管内では、東北自動車道に新設する栗原インターチェンジ(仮称)の工事費に2億6200万円を計上。迫川の改修では、築館工区分の調査設計費として3億1500万円を計上した。
事業費が大幅に減少した東部土木管内では、東日本台風で被災した北上河北線の復旧工事などに3億8600万円を計上した。
県全域で実施する単独事業では、災害に強い川づくりに向けて流下を阻害する堆積土砂の撤去、堤防の除草などに22億9700万円を計上した。