山下設計 中間層免震など提案 新庁舎の基本設計(県企業局)
[2021/3/17 千葉版]
県企業局は16日、本局新庁舎(仮称)建設工事基本設計業務について、公募型プロポーザルで特定された山下設計(東京都中央区)の技術提案書を明らかにした。契約額は6890万円(税抜)。同社は1階上部免震層による中間層免震構造などを提案している。技術提案書は、29日まで同局幕張庁舎で縦覧できる。
技術提案の概要をみると、災害連携や県庁駐車場の相互活用など、この地に移転するメリットを最大に活かすことができる施設構成とする。災害時の浸水継続時間が短い敷地南側に主出入口を計画している。
新庁舎は、1階に展示室・テナント、2階に知事部局の会議室、3階に企業局の会議室・研修室、4~7階に企業局の執務室、8階に知事部局の執務室を配置。地下1階は駐車場とする。
主要機能を2階以上に計画し、基壇部は津波など浸水被害に耐える強靭な構造、上部は災害時に業務を継続できる揺れの少ない免震構想を採用。既存地下の有効活用と浸水被害回避を両立する1階上部免震層による中間層免震構造とする。
千葉中央駅や県庁前駅からアクセスしやすい交差点側に、まちに開いた「企業局ひろば」を計画。半屋外の多目的なオープンスペースとし、広場の周囲は県施設群を緑でつなぐ緑化環境を整備する。
既存地下躯体を活用し、仮設工事費や土工事費、解体費を縮減するとともに建設工期を短縮する。サンブスギなど県産材を積層材に使用したCLT耐震壁を開口部に面して計画し、木の表情で、まちと行政をつなぐ大きな樹木「千葉」のイメージを表現する。
基本計画をみると、建設場所は、県庁に近接し、本局・本庁機能を集約することが可能な敷地面積が確保できる新都市ビル跡地とする。所在地は千葉市中央区中央4-13-14~18。敷地面積は2684平方mで、建ぺい率80%、容積率400%となっている。
新庁舎(駐車場などを除く)の規模は約1万0730平方m、地階全体の面積は約1620平方mを想定。総事業費は約82億円を概算している。基本設計の成果を踏まえ、実施設計を進め、2022年度の着工、25年度の完成を目指す。